プレスリリース配信サービス「PR TIMES」を運営する株式会社PR TIMESでは、2026年9月25日、「メディア視点から学ぶ、伝わる広報・PR 【BRUTUS編】~約50年続くBRUTUSの編集思考から紐解く、『魅力の伝え方』の極意~」をテーマに、ユーザー会を実施。
創刊46年を迎える『BRUTUS』編集長の田島朗さん、Webプロデューサーの村田竜平さん、編集部の村田健人さんをゲストに迎え、日ごろの情報収集や企画が生まれるまでの思考、魅力の伝え方・届け方についてお話しいただきました。
独自の着眼点で世の中のおもしろいものを見つけ、その魅力を伝えてきた『BRUTUS』。本記事では、『BRUTUS』が大切にする「NEW PERSPECTIVE FOR ALL」という考え方をひもときながら、広報PR活動にも生かせる情報の見つけ方や伝え方のヒントをお届けします。

株式会社マガジンハウス 執行役員 BRUTUS編集長
田島 朗株式会社マガジンハウス 執行役員、BRUTUS編集長・第三編集局局長。1997年マガジンハウス入社。98年BRUTUS編集部に配属、2010年同誌副編集長に。2016年10月よりHanako編集長としてリニューアルに着手。雑誌のみならず、読者コミュニティ・イベント・商品開発などを手がけブランドビジネスを展開。2021年12月BRUTUS編集長に就任、「New Perspective for All(あらたな視点を求める、すべての人に)をコアバリューに掲げ、地図連動型アプリメディアや都市型リアルメメディアの開発など、〝雑誌編集〟及び〝雑誌編集部〟の可能性を拡げ続けている。

株式会社マガジンハウス BRUTUSデジタルプロデューサー
村田 竜平株式会社マガジンハウス BRUTUS Digital Producer 2014年マガジンハウス入社。Tarzan編集部で雑誌編集に携わった後、2018年10月ローンチの「Tarzan Web」にコンテンツディレクターとして参加。2024年12月にBRUTUS編集部に異動。同年よりBRUTUSのデジタルプロデューサーを務める。

株式会社マガジンハウス BRUTUS編集部
村田 健人2021年マガジンハウス入社後、BRUTUS編集部に配属。『山下達郎の音楽履歴書』『民放ラジオ99局と作る松任谷由実特集』『全国民に贈るサザンオールスターズ特集』『NHKのつくりかた』『東京大学入学案内』『結局、杉本博司って何者だ?』などの特集を担当。情報定例「BRUTUSPECTIVE」責任者も務める。
『BRUTUS』をつくる 変わらない軸と編集体制
長く愛され続けるブランドは、何を変えず、何を変えていくのでしょうか。
まずは『BRUTUS』編集長の田島さんに、46年間受け継がれてきた編集方針と、現在掲げている新しいコアバリュー「NEW PERSPECTIVE FOR ALL」について伺います。さらに、雑誌にとどまらないブランド展開を支える編集部の体制や、日々の情報収集についてもお話しいただきました。
46年間貫く「特集主義」と新たに言語化したブランドの軸
──『BRUTUS』は今年創刊46年を迎えます。長くブランドを続ける中で、大切にしてきたことを教えてください。
田島さん(以下、敬称略):創刊当時からずっと続けているのが、1冊にひとつのテーマを立て、そのテーマを掘り下げる「特集主義」です。
雑誌は時代に合わせて変わっていくものですが、BRUTUSは発売日も判型もロゴの位置も、46年間ほとんど変わっていません。
一方で、扱うテーマは幅広く、旅や街、人物、フード、音楽、映画、アニメ、建築、アートなど、いろいろな特集をつくってきました。ポップカルチャーの総合誌としてジャンルにとらわれず、さまざまなテーマを扱いながら、1冊1テーマの「特集主義」は変えない。それがBRUTUSの根幹にある編集方針ではないでしょうか。
──2022年には「NEW PERSPECTIVE FOR ALL(あらたな視点を求める、すべての人に)」というコアバリューを掲げています。なぜこのタイミングで言語化したのでしょうか。
田島:Webをはじめ、雑誌にとどまらないブランド展開を進めるにあたって、当然、関わる人も増えていきます。そうした中で、BRUTUSというブランドが何を大切にするのかを共有するために、僕が編集長に就任したのを機に、新たなコアバリュー「NEW PERSPECTIVE FOR ALL」を掲げました。
雑誌をつくることだけがBRUTUSの活動ではなくなっていくからこそ、さまざまな取り組みに共通する軸を言葉にする必要があると考えたんです。

──「NEW PERSPECTIVE」という言葉には、どのような意味が込められていますか。
田島:「NEW PERSPECTIVE」は、新しい情報や価値、意見を届けるということではありません。そのもう少し手前にある「視点」のようなものを、読者やユーザーに差し出したいと考えています。
BRUTUSは、ジャンルにとらわれない雑誌ブランドだからこそ、一般的なテーマであっても、そこに新しい視点を見つけることが大切です。その視点が日々の暮らしを豊かにする。そんなきっかけをつくりたいという気持ちで、日々編集しています。
領域を分けない BRUTUSならではの編集体制
──先ほど「雑誌にとどまらないブランド展開を進めている」というお話がありましたが、それを支えるBRUTUS編集部の体制について教えてください。
田島:BRUTUSには現在、13人ほどの編集者がいます。それぞれが雑誌だけをつくっているわけではなく、Webやそのほかの事業にも関わっているのが特徴です。
紙とWebで明確に分けてしまうと、どうしてもWebの担当者はWebだけ、紙をつくる編集者は紙だけを見るようになってしまいます。BRUTUSはジャンルにとらわれず、さまざまなテーマを扱う雑誌です。だからこそ編集者自身も、主に担当する領域はあれどそれだけの仕事に終始せず、幅広い仕事に携わるほうがいいだろうという考えで、今の体制にしています。
──その中で、村田竜平さんと村田健人さんは、それぞれどのような領域を主に担当されているのでしょうか。おふたりの簡単なご経歴も含めて教えていただけますか。
村田竜平さん(以下、敬称略):僕は2014年にマガジンハウスへ入社して、最初は『Tarzan』の部署で紙の制作を経験しました。その後、Webメディアの立ち上げに携わり、BRUTUSへ異動しています。
現在はデジタルプロデューサーとして、「BRUTUS.jp」のディレクションやサイト設計、InstagramをはじめとするSNSのディレクションなどを担当しています。現場での記事制作やタイアップ記事の制作のほか、ここ数年は動画制作にも力を入れています。
村田健人さん(以下、敬称略):僕は中途入社でマガジンハウスに入り、BRUTUS編集部に所属して5年ほどになります。
前職で音楽雑誌をつくっていたこともあって、今も音楽や映画などのカルチャーを扱うことは多いですが、BRUTUSではどんな特集でも担当します。初めて携わった特集も昆虫がテーマでした。音楽からいきなり昆虫の特集というと大きく異なるように見えますが、実は音楽であっても昆虫であっても、テーマへの深い向き合い方への姿勢は同じなんですよね。
また、本誌だけでなく企業とのコラボレーションによる特別増刊の企画なども担当しています。
──BRUTUSはどのような体制やスケジュールで制作しているのでしょうか。情報収集を始めるタイミングについても教えてください。
村田健人:BRUTUSは月2冊、年間23冊を発行しています。ひとつの特集を基本的には2人、場合によっては1人の編集者が担当して、3ヵ月かけてつくるという進め方です。担当はジャンルを固定せず、みんなが自由に動いているような体制ですね。
村田竜平:情報収集を始めるのも、だいたい発売日の3ヵ月前くらいから。みなさんからいただいたプレスリリースを拝見して情報を整理することもありますし、周囲の人にリサーチすることもあります。
村田健人:とはいうものの、比較的ギリギリのタイミングまで情報を集めていますよね。企画が進んでいる段階でも情報を探しているので、遠慮なくプレスリリースを送っていただければと思います。
編集者の視点から学ぶメディアに届く情報発信のポイント
ありふれたテーマでも、切り口や見せ方によって新たな魅力を届けることができます。ここからは、BRUTUSが企画を形にするまでのプロセスや、紙とWebそれぞれのコンテンツづくり、さらに3人が大切にしている「魅力の伝え方」について伺います。
ありふれたテーマを企画に変える「新たな視点」
──新たに掲げたコアバリュー「NEW PERSPECTIVE」は、実際の企画にどのように落とし込んでいるのでしょうか。
田島:BRUTUSの企画では、テーマ自体はそこまで特殊なものを選ぼうとは思っていないんです。例えば、これまでにもエスニックや収納、詩と短歌、愛の映画、美術館、ホラーなどを取り上げてきましたが、企画の出発点としては「詩と短歌をやりたい」「ホラーをやりたい」というところから始まることも多いんです。
ただ、それをそのまま「今こそ行きたい東京のエスニック」や「心安らぐ詩と短歌」「最高に怖いホラーガイド」といった企画にしてしまうと、僕らにとっては「NEW PERSPECTIVE」ではありません。
ですから、企画が現場から上がってきた際には、まず担当の編集者と「このテーマにおけるNEW PERSPECTIVEは何なのか」という議論をすることを大切にしています。
──一般的なテーマから、BRUTUSならではの「NEW PERSPECTIVE」をどのように見つけていくのでしょうか。
田島:例えば「詩と短歌」の特集を考えていたころは、SNS上で人を傷つけるような一言を目にすることが多い時期でした。そんな中で、「一行で人をハッピーにするような特集にしたら、詩と短歌というテーマをもっと広げられるんじゃないか」という話になったんです。
「詩と短歌」というテーマだけでつくると、興味のある方にしか届かない狭い特集になってしまうかもしれません。でも、「一行で人をハッピーにする」という切り口に変えることで、より多くの人が興味を持てる企画になるのではないかと考えました。
一方、エスニック特集は、コロナ禍で海外旅行に行けない時期につくったものです。単純なフード特集にするのではなく、旅気分を味わえるような切り口や見せ方にしたらいいのではないかと考えました。
ホラーも同じです。「ホラーガイド」にしてしまうと、ホラーが好きな人のための企画になります。僕自身、怖いものが苦手なので、そういう人でも見たくなる仕掛けは何だろう、というところから考えていきました。
──テーマを決めるだけでなく、「誰にどう届けるか」まで考えて企画を広げていくのですね。そうして決まった企画を、担当編集者はどのようにブラッシュアップしていくのでしょうか。
村田健人:「一行だけで」の特集は、その過程がわかりやすかったと思います。
BRUTUSの企画にはいろいろな決まり方があって、編集長からテーマと担当を指定されることもあれば、「この号で何をやるか」というところから一緒に考えていくこともあります。「一行だけで」は後者でした。
最初は詩の特集という企画を持っていったのですが、話していく中で「前を向けるようなものがいいよね」という方向が見えてきました。そこから「一行だけで」という言葉にたどり着き、表紙をどうするかまで考えていったんです。

田島:切り口を決めたら、そこからタイトルを研ぎ澄まして、ビジュアルも考え抜きます。
村田健人:例えば、ホラー特集の表紙は、一見すると黒い表紙ですが、角度によって叫んでいる人の顔が浮かび上がる加工を施しています。どうすれば企画の意図が伝わるか、顔の見せ方や加工についてもいろいろなパターンを試しました。
田島:テーマを決めて終わりではなく、その企画をどのような言葉やビジュアルで表現すれば届くのかまで考え抜く。そのあたりは、とことんやりますね。
本誌とWebのそれぞれを「主役」にするコンテンツづくり
──BRUTUSの本誌とWebでは、対象とする読者や情報の伝え方をどのように分けているのでしょうか。
村田竜平:実は、そこまで変えていないというのが本当のところです。もちろんWebやSNSなど、プラットフォームによってテキストの量や見せ方は変わりますが、コンテンツの本質はあまり変えていません。
BRUTUSがWebに力を入れ始めた背景には、若い世代や、これまでBRUTUSを読んでいなかった方にもアプローチしたいという考えがありました。ただし、雑誌の宣伝としてWebを活用するのではなく、雑誌は雑誌、WebはWebで独立していて、どちらも主役という感覚です。
──コンテンツの本質は変えないとのことですが、Webでも「NEW PERSPECTIVE」という考え方が軸になっているのでしょうか。
村田竜平:もちろんです。何かしらの視点を加えたいので、情報をそのまま出すことはあまりしていません。
ひとつのトピックを単発で出すのではなく、「どういったテーマでこのコンテンツを編むのか」という軸をつくることもありますし、表面的な機能だけを見るのではなく、それをどんな人が使っているのか、生活の中のどのようなシーンで使われているのかといった物語に光を当てることも意識しています。
──情報を取り上げる際には、話題性や数字も重視されていますか。
村田竜平:社会的な流れや世の中の動きは意識していますし、大切にしています。ただし、それだけではなく、「ここでしか出会えない」「この雑誌にしか載っていなさそう」という局所的な興味関心も重要だと考えています。なので、フォロワー数など、数字的な裏付けを気にしすぎないようにしている部分はありますね。
──「BRUTUS.jp」とSNSでは、情報の扱い方にも違いがあるのでしょうか。
村田竜平:「BRUTUS.jp」では、ストレートな情報はあまり扱わないようにしています。例えば商品やサービスを紹介する場合も、連載という形にしてテーマを設けるなど、そのまま紹介するのではなく、少し「編む」ことを意識しています。
一方で、比較的ストレートに情報を扱うのはSNSのほうが多いですね。プレスリリースをいただいて、おもしろそうだと思ったイベントへ実際に足を運び、リールを撮影することもあるんですよ。「BRUTUS.jp」とSNSで役割を分けながら、それぞれの世界観をつくっています。
──媒体によって表現方法が異なる中で、BRUTUSらしさはどのように保っているのでしょうか。
田島:雑誌は1冊にパッケージングして、それを買っていただくという意味で、プロダクトをつくっているような感覚があります。一方、Webは無料で読めて、広告によって成り立っているメディアなので、どうしてもストレートニュースのようなものになりがちです。
だからこそ、「BRUTUS.jp」もBRUTUSという看板やロゴが入っていなくても、「BRUTUSのWebだな」とわかるようにしていこうという話をしています。
そのため、Webのコンテンツにもかなり手間暇をかけています。本誌の記事をWebに掲載するときも微妙に調整を加えますし、映像についても同じです。紙だけではなく、WebでもBRUTUSらしさが伝わるようにつくっています。
魅力を伝えるために大切にしている視点
──広報PRでは、プレスリリースの作成をはじめ、さまざまな場面で情報の魅力を伝えることが求められます。みなさんがコンテンツの魅力を伝えるうえで、大切にしていることを教えてください。
田島:僕が大切にしているのは、次の3つです。
- 盛り上げるための「盛り上げないページ」
強い情報を並べるだけではなく、全体の流れをつくることを意識しています。あるコンテンツを盛り上げるために、その前をあえて静かなページにすることもあります。もちろん、「盛り上げない=おもしろくない」という意味ではありません。 - 無理して誇張するくらいなら正直でいる
最近は、誇張した表現が読者に響きにくくなっていると感じています。それよりも、共感を生むようなまっすぐな姿勢が大事なのではないでしょうか。 - 「そこ細かくするのか」という美学
単純に情報を紹介するだけでなく、違った角度から細かく分析する。細かくすればするほど、そこに自分たちの伝えたいことを詰められると思っています。
村田竜平:僕は「誰でも見られる、誰かだけのためのコンテンツ」ということを意識しています。
Webは誰でも見られるからこそ、最大公約数に向けてコンテンツをつくりがちです。でも、そうするとおもしろみに欠けてしまうので、「誰かのためだけにつくる」という意識は常に持っています。
一方で、つくり手が考えている意図や背景を、読者が100%理解してくれるわけではありません。だから、「こう発信したら、こういう反応が返ってくるはずだ」と期待しすぎず、少しフラットに情報との距離を取ることも大切にしています。
それでも、読者のことは信頼する。「視聴者は派手なものが好き」「すぐに飽きる」と大きな主語で捉えすぎず、コンテンツに合った伝え方を選ぶようにしています。
田島:最近は、デジタルに関してもコンテンツを実直につくることが、結果的に数字につながると感じています。「バズらせよう」「売ろう」と考えすぎるより、当たり前のことなのかもしれませんが、初心に戻ってきちんと芯のあるコンテンツをつくることが大事なのではないでしょうか。少なくとも私たちブルータスには、デジタルであってもそれが求められている感じがします。
村田健人:僕が大切にしているのは、主に日々の編集作業の中で編集長から言われた言葉です。
- ほかの数多ある特集とどう違うのか
同じようなテーマのコンテンツが数多くある中で、自分たちは何が違うのか。BRUTUSならどのような視点でつくるのかを明確にするということです。 - Editing with Fantasy
単に情報を紹介するだけでなく、その一歩先を見せる。同じ情報でも、切り取り方ひとつで伝わり方は変わると思っています。 - 冷める(読者を置いていかない)
専門的な言葉ばかりでは、詳しくない人には内輪で盛り上がっているように感じられてしまいます。もともと興味がなかった人にもおもしろいと感じてもらえるように、必要なことはきちんと説明することを意識しています。
編集者の目に留まるプレスリリースとは
──ここからは、プレスリリースについてお話を伺えればと思います。日々多くのプレスリリースをご覧になる中で、どのようなものが目に留まりやすいのでしょうか。
村田竜平:まずは、写真がきれいで、コンテンツがイメージできるものですね。雑誌やWebでコンテンツをつくっている人間からすると、すごく目に留まりやすいです。
写真のバリエーションが豊富なことも大切です。例えば、商品の切り抜き画像だけではなく、背景が入った写真もあると、「あのページで使えるかな」と、実際にコンテンツで扱うイメージが湧きやすくなります。
あとは、単純な商品の情報だけではなく、なぜそれが生まれたのか、どのようなシーンで使われるのかといった背景情報は、プレスリリースを見ていてすごくおもしろいと感じる部分です。
日々たくさんのプレスリリースに目を通していると、「最近、ほかの企業も含めてこういう商品が増えているな」と、そこから社会の流れを感じ取ることもあります。ニュースに取り上げられるほどではなくても、同じような商品が少しずつ出始めていると、やはり「なぜ生まれたんだろう」と気になるものです。そこにストーリーや技術などの情報があるプレスリリースは、つい読んでしまいますね。
それから、固有名詞がきちんと入っていることも大切です。プレスリリースをいただいたときには扱えなくても、1年後に検索して調べ直すことがあるので、商品名やサービス名などの固有名詞が入っていると、後から検索しやすいんです。
ただ、プレスリリースは長ければ興味を持つ、短ければ持たないというものではありません。そのときにつくっている企画や、こちらの興味関心とのマッチングもあるので、一概に「こういうものがいい」とは言えないんですね。だから、知ってほしい情報があるならまずは送っていただくのがいいのかなと思います。

【質疑応答】参加者からの質問にお三方が回答
ここからは、当日参加者から寄せられた質問への回答をご紹介します。
──地方発の企業や、まだ認知度が高くない企業の情報でも、編集者として「もっと知りたい」「読者に届けたい」と感じるポイントはありますか。
村田竜平:地方発か東京発かという線引きはまったくなくて、単純に技術やアイデアがおもしろいかどうかだと思っています。
もちろん、メディアとして読者に届ける以上、事実がどこまでしっかりしたものなのかは確認します。単発の情報だけだと裏取りが難しいケースもあるので、例えばその地域での盛り上がりだったり、信頼できる機関による裏付けがあったりすることは意識しているポイントのひとつです。
あとはテーマ次第ですね。ひとつの情報だけでは取り上げづらくても、その周辺や地域全体が盛り上がっていておもしろければ、「ここに取材してみたい」と思うこともあります。日本国内であれば、地方か都市部かはあまり気にしていません。
──専門外のテーマを担当するときは、どのように情報を集めていますか。
村田健人:「人に聞く」ことを大切にしています。詳しい人に聞いて勉強して、さらにほかの詳しい人にも聞く。その中で、それぞれの人が何を推しているのか、どのような見方をしているのかを理解します。
最終的には「BRUTUSとしての視点」にしていくわけですが、誰の見方を信頼するかは重要ですね。例えば、本から誰かの視点を得ることもあります。
村田竜平:僕も人に聞きますし、インターネットでも調べます。特集や企画のテーマに関するキーワードを入れて、企業がどのような情報を発信しているのかを見ることもあります。
人に聞くことで独自性を高めながら、社会的な動きと、一個人がおもしろがっていることを結び合わせていくような感覚です。
──企業から個別に届くメールもチェックしていますか。
村田竜平:編集者によると思いますが、僕は割と見ているほうではないでしょうか。届いたメールを残しておいて、後から調べ直すこともあります。
例えばひとつの企画には合わなくても、別の切り口なら合うこともあります。商品名だけではなく、関連するキーワードが複数入っていると、後から調べやすいのでありがたいです。
──企画や特集の視点がありきたりなものにならないように、どのようなことを意識していますか。
田島:僕の場合、リサーチはほとんどしていないです。もちろんまったくしないという意味ではないのですが、「探そう」と思って探していきたものは、世の中の流れと乖離している場合もあると思っています。
それよりも、普通に生活している中で「あれが気になってきた」「これが気になってきた」という感覚を大事にしています。本屋に行ったり、若い人たちと話したりしていると、毎日のように気づきがありますよね。
それをあえてメモすることもありません。私が忘れてしまうくらいものは人々もそこまで興味のないものだと思っているので、それでもずっと心の中に引っかかっているものを抽出するようにしています。
まとめ:視点を変えることで見えてくる 情報の新たな魅力
46年間「特集主義」を貫きながら、雑誌だけでなくWebやSNS、企業とのコラボレーションなど、さまざまな形でコンテンツを届けている『BRUTUS』。媒体や取り組みが変わっても、その根底には「NEW PERSPECTIVE FOR ALL」という共通の軸があります。
情報そのものの新しさや話題性だけでなく、「どのような視点で捉え、誰にどう届けるか」を考える。ありふれたテーマにも新たな視点を見つけ、言葉やビジュアルまで考え抜くBRUTUSの編集思考には、広報PRにも通じるヒントがありました。
プレスリリースにおいても、商品やサービスが生まれた背景や使われるシーン、関連するキーワード、活用しやすい写真などを丁寧に届けることが、企画につながるきっかけになるかもしれません。
今回紹介したBRUTUSの編集思考が、プレスリリースの作成をはじめ、日々の情報収集や企画、SNSでの発信など、広報PR活動の参考になれば幸いです。
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