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記事化から売り上げまでをどう捉えるのか。バンダイに学ぶプレスリリース活用術|株式会社バンダイ

記事化から売り上げまでをどう捉えるのか。バンダイに学ぶプレスリリース活用術|株式会社バンダイ

配信したプレスリリースが、どれだけ事業の成果につながったのか。その効果測定や社内への伝え方に悩む広報PR担当者も多いのではないでしょうか。

プレスリリース配信サービス「PR TIMES」を運営する株式会社PR TIMESでは、2026年9月15日に広報PR担当者を対象とした「ユーザー会」を開催。株式会社バンダイ ライフスタイル事業部の粕谷聡さんと佐藤裕平さんに登壇いただき、実際の事例を交えながら、記事化されやすい情報の届け方や、ECの売り上げを起点としたプレスリリースの効果測定についてお話しいただきました。

玩具やガシャポン、カード、アパレル、生活日用品など、幅広い商品・サービスを展開する同社。おふたりが所属するライフスタイル事業部では、新しいカテゴリー商品の発売時やEC販売の商品を中心にプレスリリースをプロモーション施策のひとつとして積極的に活用しています。記事化につながる情報発信の工夫や、ECの売り上げを起点とした効果測定とは。本レポートでは、当日お話しいただいた内容をまとめます。

株式会社バンダイ(東京都台東区):最新プレスリリースはこちら

粕谷 聡のプロフィール画像

株式会社バンダイ ライフスタイル事業部 事業戦略チーム アシスタントマネージャー

粕谷 聡(Kasuya Satoshi)

2000年に株式会社サンリオに入社。サンリオピューロランド内のイベントやギフトゲートでの販促イベント企画に従事。2004年に株式会社バンダイに入社。食玩・菓子事業の部門において、国内転勤なども経て、 北海道から沖縄まで営業を担当。日用品のライフ事業部の営業を経験した後、2017年から新設の1人のプロモーション担当として、店頭販促、Web、SNS、TVCMなどの映像制作、イベント運営、店舗運営、商品マーケティング、キャンペーンなどを幅広く担当。2024年からアパレル、ライフ事業統合により、取り扱いアイテムについても多岐にわたる。

佐藤 裕平のプロフィール画像

株式会社バンダイ ライフスタイル事業部 ハイターゲットコラボチーム アシスタントマネージャー

佐藤 裕平(Sato Yuhei)

武蔵野美術大学 映像学科を卒業後、2012年に株式会社バンダイに入社。ECの管理部門や食玩・菓子・食品事業/アパレル事業/ライフスタイル事業の部門にて、プロモーション・マーケティング・商品企画開発・イベント運営・店舗運営などに従事。現在は商品企画開発を主に行うチームに所属し、キャラクターIPグッズ商品の企画開発や販売・プロモーションなどを担当。

EC販促に生かす、記事化されやすい情報の届け方

アパレルや生活日用品などの商品を展開する、ライフスタイル事業部。キャラクターの世界観や魅力を生かした商品を、ECや直営店、一般店頭など、さまざまな販売チャネルで届けています。

広報PR活動では、商品情報をより多くの人に届ける手段としてプレスリリースを積極的に活用しているという粕谷さん。特に、EC販売や「STRICT-G」などの直営店で扱う商品はプレスリリースとの相性がよく、こうした商品に関する情報が全体の8〜9割を占めているそうです。

ECで販売する商品は、プレスリリースをきっかけにメディアで記事化されることで、商品を知ってもらう接点が増え、販売ページへとつながるきっかけにもなります。そのためプレスリリースを作成する際は、メディアが記事にしやすい情報を盛り込むことを意識しています。

例えば、商品の特徴を具体的な数字で示すこと、バナーや画像で魅力を直感的に伝えること、記念日を切り口にするなどです。特に、タイトルや画像は、プレスリリース単体での見え方だけでなく、メディアの記事として掲載されたときにどう見えるかまでイメージして設計しているのだそうです。

反響を分析し、次のプレスリリースに生かす

こうした工夫を重ねるきっかけのひとつとなったのが、2023年に配信したある映画作品商品のプレスリリースです。商品の特徴を「20センチ超のビッグサイズアクスタ」と具体的に表現したことで、複数のニュースサイトで記事化されました。

一方、配信後にSNSで多くの注目を集めたのは、「有給休暇中」というメッセージをデスクに置いて伝えられるアクリルスタンドでした。佐藤さんはこの反響から、商品のネタ要素やひと目で伝わる特徴を、メイン画像でもっと打ち出せたのではないかと振り返ります。

そこで、次に配信した同映画作品関連商品のプレスリリースでは、SNSでの反響を踏まえて画像やタイトルを工夫。「華金」「在宅勤務中」といったメッセージ入りのアクリルスタンドを目立つ形で取り上げ、商品のユニークさがひと目で伝わる構成に。その結果、このプレスリリースも複数のメディアで記事化されました。

実際にどの商品や表現が注目されたのかを振り返り、次の発信に反映する。プレスリリースを配信して終わりにせず、反響を分析しながら改善を重ねているのがポイントです。

株式会社バンダイさま

商品の特徴を「数字」と「画像」で伝える

プレスリリースでは、商品の特徴をただ説明するのではなく、「ニュースとして取り上げやすい要素を見つけ、具体的な言葉や画像で表現することも大切」と佐藤さん。

例えば、大型のアクリルスタンドでは「40センチ超のアクスタ」と具体的な数字を提示。「でっかく見守られサイズ」といったキャッチーな言葉も使いながら、商品の特徴や大きさをわかりやすく伝えています。

画像も、メディアが記事で取り上げる場面を意識して選定。商品単体の画像だけでなく、実際に使用している様子がわかる画像を掲載することで、サイズ感や商品のユニークさをひと目で伝えられるよう工夫しています。

商品の特徴が視覚的に伝わる画像を用意しておくことが、メディアにとっても記事化しやすい情報につながるそうです。

参考:バンダイより約40cm超の特大ビッグアクスタシリーズが新登場!『ドリフェス!R』のアイドルたちに見守られながら勉強や仕事が捗る!?アイテムが予約開始!

ファンが反応したくなる要素を盛り込む

タイトルや画像だけでなく、プレスリリースの文章そのものにも工夫を凝らしています。例えば、あるアプリゲーム作品 の商品を事前告知したプレスリリースでは、ファンの間で親しまれているエピソードやフレーズをもとにした文章を盛り込みました。

ファンが読んだときに「プレスリリースがおもしろい」と感じられる内容を意識した結果、SNSで大きな反響が生まれ、バンダイ ライフスタイル事業部 として初めてPR TIMESの「話題のリリース」で1位を獲得。ファンがグッズを紹介するショート動画でもプレスリリースが引用されるなど、多方面へと情報が広がっていきました。

作品への理解を生かした表現によってファンの共感や反応を生み出すことも、情報を広げるきっかけのひとつになっています。

記念日を情報発信のきっかけに

「情報を届けるタイミング」も意識したいポイントのひとつです。

バンダイとBANDAI SPIRITSの企業ロゴを商品化した「アクリルロゴディスプレイEX」では、6月5日の「ロゴマークの日」に合わせてプレスリリースを配信し、キャンペーンも同時に展開。

「アクリルロゴディスプレイEX」は、さまざまな作品やキャラクターのロゴを厚みのあるアクリル素材で商品化するシリーズですが、「自社ロゴの商品化」という意外性に加え、記念日に合わせて発信することで「なぜ今、この情報を届けるのか」という理由も生まれたと佐藤さん。商品は好調な売れ行きとなり、多くのニュースサイトでも記事化されたそうです。

発売日だけでなく、商品に関連する記念日や季節の出来事に目を向けることも情報発信のきっかけづくりにつながります。

参考:バンダイ/BANDAI SPIRITSのロゴがまさかの商品化!コレクションと一緒に飾るのに最適なアクリルスタンドで登場。【本日6月5日は<ロゴマークの日>】

売り上げを起点に考える、プレスリリースの効果測定

KPIをどのように設定し、成果を測るのか。広報PR担当者にとって「効果測定」は共通する悩みのひとつではないでしょうか。

広報PRの効果を測る指標として、よく用いられる「広告換算値」や「掲載数」は、商品を担当する事業部門にとっては売り上げとのつながりが見えにくく、成果を実感しにくいこともあります。また、ECサイトへの流入経路には、自然検索やメールマガジン、SNS、広告など複数の施策が影響し合っているため、プレスリリースが売り上げにどれだけ貢献したのかを正確に把握するのは簡単ではありません。

そこで、ライフスタイル事業部が試行錯誤を重ねる中でたどり着いたのが、「商品の売り上げを起点にした効果測定」でした。ECでの商品販売を目的とする場合、最終的に目指すのは商品の売り上げです。そのためのプロモーション施策があり、プレスリリースもその手段のひとつ。すべての効果を正確に把握することが難しいからこそ、売り上げから逆算し、さまざまなデータを手がかりにプレスリリースの貢献度を推測する。佐藤さんは、こうした考え方で効果測定に取り組んでいるのだそうです。

株式会社バンダイさま

複数のデータを組み合わせ、広報PRの貢献度を可視化

では、プレスリリースが売り上げにどれだけ貢献したのか、どのようなデータを手がかりに推測していけばよいのでしょうか。

ライフスタイル事業部では、ひとつの指標だけで判断するのではなく、複数のデータを組み合わせてプレスリリースの影響を捉えています。佐藤さんが紹介したのは、次のような方法です。

  • クリッピング・広告換算値を確認する
    掲載数や広告換算値は、成果そのものとして捉えるだけでなく、どの記事が大きな反響につながったのかを探る手がかりとして活用。広告換算値の高い記事を確認し、SNSで拡散された記事やGoogle、Yahoo!ニュースなどで注目された記事と照らし合わせることで、情報が広がった起点を探ります。
  • URLに測定用のパラメータを付ける
    プレスリリースに掲載するECサイトのURLにパラメータを付け、アクセスや売り上げへの影響を確認します。ただし、メディアで記事化される際にパラメータが外されたり、URL自体が掲載されなかったりすることも。その場合は、記事を見た読み手が商品名を検索するなど、自然検索を経由してECサイトを訪れている可能性も考慮します。
  • GoogleやYahoo!ニュースなどで記事化の状況を調べる
    プレスリリースの転載だけでなく、メディアが独自に記事化した情報を検索し、どのようなニュースが注目を集めているのかを確認します。ECサイトへのアクセスが大きく伸びた場合は、Google Discoverに掲載された可能性もチェック。より詳しく調べる場合には、Google Search Consoleも活用します。
  • 記事を起点としたSNSでの広がりを確認する
    メディアがプレスリリースをもとに記事化し、その記事がSNSで投稿・拡散されていないかを調べます。記事への反応が大きく、そのタイミングでSNS経由の流入や売り上げが伸びていれば、プレスリリースから記事化、さらにSNSでの拡散へと波及した可能性を考えることができます。必要に応じてソーシャルリスニングツールも活用し、情報の広がりを確認します。

このように、掲載状況やSNSでの反響、流入データなどを組み合わせ、「売り上げのうちどの程度にプレスリリースが関わっているのか」を推測。ほかに実施したプロモーションや商品の特性なども考慮しながら、ケースごとに貢献度を見極めていくのだそうです。

一方で、こうしたデータを組み合わせても、すべての影響を捉えられるわけではありません。粕谷さんは、効果の換算については現在も試行錯誤を重ねており、データでは捉えきれないケースがある一方、想定以上に情報が広がることもあると話します。

そこで、手がかりのひとつとなるのが商品アンケートです。「この商品を何で知りましたか」と購入者に尋ねることで、ニュース記事やSNSなど、商品を知ったきっかけをより直接的に把握できます。

正確な効果測定が難しいからこそ、アクセス解析などの定量データだけに頼るのではなく、掲載状況やSNSでの広がり、購入者の声といった複数の情報をつなぎ合わせ、売り上げへの貢献を捉えていく。こうした試行錯誤を重ねることで、広報PR活動が事業にどのように貢献したのかを社内にも説明しやすくなるのだそうです。

まとめ:配信して終わりにしない、事業につながるプレスリリース活用

記事化につながる情報の届け方から、売り上げを起点とした効果測定まで、さまざまな工夫を重ねながらプレスリリースを活用している粕谷さんと佐藤さん。

その取り組みに共通しているのは、プレスリリースを配信して終わりにしないこと。どのような情報がメディアやファンの反応につながったのかを振り返り、その結果を次の情報発信へと生かすことが大切です。

  • 商品の特徴を数字や画像でわかりやすく伝え、ファンが反応したくなる要素を盛り込む
  • 記念日など、情報を届けるタイミングにも目を向ける
  • 配信後は、掲載状況やSNSでの反響、流入データなどを組み合わせ、売り上げへの貢献度を推測する

プレスリリースの効果をすべて正確に数値化することは簡単ではありませんが、配信後の反響から仮説を立て、検証と改善を重ねることで、広報PR活動と事業成果とのつながりを捉えていくことは可能です。

プレスリリースの作成・配信後にその反響をどのように次へ生かし、事業への貢献をどう捉えるのか。ライフスタイル事業部の取り組みは、自社に合ったプレスリリースの活用方法を考えるヒントになるのではないでしょうか。

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この記事のライター

PR TIMES MAGAZINE執筆担当

PR TIMES MAGAZINE執筆担当

『PR TIMES MAGAZINE』は、プレスリリース配信サービス「PR TIMES」等を運営する株式会社 PR TIMESのオウンドメディアです。日々多数のプレスリリースを目にし、広報・PR担当者と密に関わっている編集部メンバーが監修、編集、執筆を担当しています。

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