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従業員一人ひとりのアイデアをニュースに。現場起点で年間250本のプレスリリース|株式会社温泉道場

従業員一人ひとりのアイデアをニュースに。現場起点で年間250本のプレスリリース|株式会社温泉道場

埼玉県を中心に「おふろcafe」ブランドなどの温浴施設やリゾート施設を展開する、株式会社温泉道場。「さあ、地域を沸かそう」を企業テーマに掲げ、地域に新たなにぎわいや価値を生み出しています。

同社の広報PRの特徴は、年間約250本ものプレスリリースが各店舗で働く従業員の「こんなことをやりたい」という思いを起点に生まれている点です。その背景には、一人ひとりが広報PRの担い手として企画を考える姿勢と、自分たち自身が楽しむことを大切にする企業文化がありました。

本記事では、同社で広報PRを担当する齊藤綾子さんにインタビュー。現場発の企画を伝わるプレスリリースへと磨き上げる工夫や、スピード感を生かした情報発信、地域との共創によるニュースづくりなど、企業理念を実践する広報PRの考え方についてお話を伺いました。

株式会社温泉道場(埼玉県比企郡):最新プレスリリースはこちら

齊藤 綾子のプロフィール画像

株式会社温泉道場 取締役

齊藤 綾子(Saito Ayako)

群馬県出身。音楽雑誌やwebサイトの編集、広告代理店での営業・制作、新規事業立ち上げなどを経験。それまでいろいろな会社を経験してきたが、温泉道場で働くメンバーの人柄の良さと、社長・山崎さんの有言実行力に惚れ込み、そしてなによりも「温泉」が大好きなため正社員として入社。現在は本社にて「稼げる管理部門」を目指し、社長秘書業務からグループ会社のサポートも含めた広報、経理まで幅広い業務に携わる。温泉道場とそこで働いているメンバーの魅力をもっと多くの人に知ってもらいたいと日々考えている。趣味はゴルフ、茶道、旅行。動物と自然、そして温泉が癒し。写真はO Park OGOSEがある越生町の黒山三滝にて、越生町観光協会主催の「滝打たれ体験」に参加した時のもの。

現場から生まれる年間約250本のプレスリリース

──本日はよろしくお願いいたします。温泉道場さんは、毎年たくさんのプレスリリースを配信されていますが、広報PRとしてはどのような体制で行われているのでしょうか。

はい、よろしくお願いいたします。

社内で「広報」と名乗っているのは私ひとりですが、すべてをひとりで担当しているわけではありません。プレスリリースも私からの提案で書いてもらうのではなく、各店舗で働く一人ひとりの「こんなことをやりたい」という思いが起点となってアイデアが生まれます。その結果、昨年は1年間で約250本のプレスリリースを配信することができました。

私の役割としては、現場から上がってきたプレスリリースの素案を「最初の読者」として読み、世の中に出たときに、パッとわかりやすく伝わるかを確認することだと思っています。構成や表現、読んだ方が嫌な気持ちにならないかといった点については、最終的に私が責任を持って確認しています。

──現場発でプレスリリースを配信されているということですが、店舗同士でアイデアや情報を共有することもありますか。

そうですね。同じイベントを複数店舗で実施する際にまとめてプレスリリースを配信する場合は、店舗同士で相談することもあります。また、効果のあったプレスリリースなどは、別の店舗が翌年に取り入れることもあります。

私のほうでは、過去に配信したプレスリリースは年度ごとに一覧化して、どの店舗がどのような企画を実施したのか、どの記事が取材につながったのかがわかるようにしています。配信日時や店舗名、タイトル、プレスリリースのリンク、取材の有無、反響の大きさなども記録して、ノウハウが社内に蓄積されるようにしているんです。反響のあったプレスリリースを参考にすることで、再現性のある企画につなげています。

もちろん、それだけでは現状維持になってしまうので、毎年、各店舗で新しい企画やアイデアも考えながら、これまでの成功事例と新しい取り組みの両方を積み重ねているんです。

──現在の発信スタイルが形づくられるまでには、さまざまな工夫や模索があったのではないかと思います。2011年の創業から振り返って、広報PRのターニングポイントとなったできごととして、どういったことがありましたか。

私たちの会社は、創業当初からFacebookやX(当時のTwitter)、InstagramなどのSNSを比較的うまく使っていて、「おふろcafe」もSNSがきっかけで世の中に知ってもらうことができました。

一方で、プレスリリースに関しては、私が入社後にPR TIMESを利用するようになったので、ここがひとつの転換点になっていると思います。それ以前はファックスを送ったり、担当者に直接メールをしたりするのが一般的でしたが、PR TIMESでプレスリリースを配信するようになったことで、より広いところまで情報が届くようになったのを実感しています。

──メディアを取り巻く環境も変化していると思いますが、広報PRの成果はどのようにとらえていますか。

指標としては「メディアに取り上げられること」がひとつありますが、最近はメディアに取り上げられた後の反響も変わってきているので、難しいところではあります。例えば、最近はテレビをオンタイムで見るとは限りません。みんなが同じものを同じタイミングで見ていないという点は、大きな変化として実感しています。以前であれば、テレビに取り上げられると店舗の電話が鳴り止まないなど、すぐに反響を実感していました。

また生活者の好みが細分化しているなかで、各店舗の企画も届けたい相手を意識しながら多様な切り口を考えていく必要性も強く感じています。

武甲温泉での「武甲山巨大カレー」提供を発表した際、もともと利用を想定していた大人数グループのお客さまではなく、YouTuberの方が撮影のためにいらっしゃったことがあって。「デカ盛り」という切り口で思わぬ層に届いたんだと時代の変化を感じましたね。

株式会社温泉道場さまプレスリリース

参考:秩父湯元 武甲温泉にて、秩父・横瀬のシンボル「武甲山」をイメージした総重量6㎏の「武甲山巨大カレー」を提供開始

直営店で働く一人ひとりの企画を「伝わるニュース」へ

──齊藤さんが入社されてからこれまでにたくさんのプレスリリースを配信されていますが、特に反響の大きかったプレスリリースはありますか。

毎年反響をいただいている企画のひとつが、熊谷市の店舗で実施している「かき氷シャンプー」です。熊谷市は夏の暑さで知られる地域ですが、2018年に最高気温41.1度を記録したタイミングで、この企画のプレスリリースを配信しました。

クールシャンプーの爽快感を生かした企画で、「今日は41度を超えそうだ」という予報が出たため、店舗とすぐに連携してプレスリリースを作成・配信したんです。この企画はその後も毎年実施していて、昨年もテレビ取材につながるなど、継続して反響をいただいています。

株式会社温泉道場さまプレスリリース

参考:熊谷のおふろ屋さんで暑気払い。クールかき氷シャンプーと生ビール41円で提供

──このプレスリリースはいつごろから用意されていたのでしょうか。

お昼頃に「これからすごく暑くなりそう」「記録的な最高気温がでそうだ」と情報が入ってきて、電車の中で店舗の担当者とチャットでやり取りしたのを記憶しています。写真をすぐに撮ってもらい、プレスリリースを出そうと決めたんです。

まだそれほど規模が大きくないこともあって、決裁も複雑ではなく、おもしろい取り組みをすぐに実行できるという文化があります。スピード感を強みにしているのですが、その当時は特にわくわくしたのを覚えています。

次年度以降は、暑くなるタイミングを見計らってプレスリリースを配信していますが、2018年は当日考えて当日配信したというスピード感が成功の要因だったと思いますね

──現場発で積極的な情報発信が行われていますが、どういったことを大切にしていますか。

ひとつは、社会課題などが盛り込まれているかという点です。例えば、私たちはヒノキの間伐材を使った入浴木を浮かべるイベントなども行っていますが、そうした社会のちょっとした課題に関連した企画は意識的に取り入れています。

それと同時に「共感が得られる」ということも大切にしています。特に、「その地域でなければできないこと」には積極的に関わっていきたいですね。例えば、玉川温泉や武甲温泉のある地域は、高校がないんです。地元の子どもたちは、高校生になると地元を離れて通学するわけですが、これまで通学を見守ってくれてきた方々に感謝を伝える「感謝の卒業ありがとう風呂」というイベントなどを行っています。そうした地域密着のイベントも積極的に実施・発信していきたいです。

株式会社温泉道場さまプレスリリース

参考:玉川温泉と武甲温泉にて、卒業生から地域の方へ感謝を書いたヒノキをお風呂に浮かべる「卒業ありがとう風呂」を開催します。

──ちなみに、現場からのプレスリリース素案は、どれぐらいの完成度で上がってくるのでしょうか。

担当者によってもさまざまですね。支配人などのように長く担当している人は、完成度の高い素案が上がってくるので、私はほんの少し修正する程度。一方で、初めてプレスリリースを書く人の場合は、情報を整理してわかりやすくしたり、構成から見直したりすることもあります。

また、10店舗ある直営店で働く一人ひとりが「広報PRの担い手である」ということを全体会議でも繰り返し伝えています。修正のやり取りを重ねるうちに、自然とコツをつかんでくれていて、現場ではノウハウが積み上げられている印象です。

──フィードバックをする際に、意識されていることはありますか。

先ほどの事例にもつながりますが、季節性や社会性、地域性の要素、加えてユニークさや独自性を大切にしています。そのうえで、現場から素案が上がってきた時には、「そもそも、なぜこのイベントをやるんだった?」と必ず問いかけるようにしています。

文章の表現や構成は私が手直しできますが、「何を伝えたいのか」という企画の核になる部分は、担当者本人の思いをきちんと確認して反映したいと思っています。こうした対話を重ねることで、最初の素案には書かれていなかった企画の背景や大切にしている思いなど、情報が見えてくることも少なくないんです。

また、私たちのグループは「さあ、地域を沸かそう」を企業テーマに掲げているので、その企画が地域を盛り上げたり、地域の魅力を発信したりすることにつながっているかも、意識している視点のひとつです。

株式会社温泉道場さま

「地域を沸かす」を実践する共創型の広報PR

─「その地域でなければできないこと」を大切にされているというお話がありましたが、プレスリリース以外で地域や企業と連携して取り組まれていることはありますか。

そうですね。特に地方の店舗では地元企業を巻き込むことを意識しています。例えば、秩父市にある武甲温泉では、酒蔵とコラボレーションしたり、地域で開催されるイベントと連携したりすることが多いです。

酒蔵のお祭りに合わせて、酒粕を使ったお風呂を実施するなど、「応援企画」のような形で地元の方々と一緒に取り組むこともあります。地元企業を巻き込んだイベントを行うことで、地域の方に「こんなことをやっている温泉があるんだ」と知っていただくきっかけになりますし、観光で訪れた方にもその土地ならではの魅力を楽しんでいただけていると思います。

──コラボ企画をする際には、御社から地元企業へお声がけすることが多いのでしょうか。

はじめはこちらからアプローチすることが多かったと思いますが、継続していくうちに企業側からお声がけいただくことも増えてきましたね。

大切なのは、私たちだけでなくコラボ先の企業にもメリットが生まれるようにすることです。コラボ先の企業も嬉しいし、お客さまも嬉しいし、私たちも嬉しい。そういうイベントにするというのは、社内でも常に意識しています。

例えば、先ほどの武甲温泉も成長を続けていて、地域の関係者の方やお客さまからも喜んでいただけています。「この会社があってよかったね」と言ってもらえる、そんな会社でありたいですね。

株式会社温泉道場さまプレスリリース

参考:秩父湯元 武甲温泉にて、秩父錦酒蔵開放まつり応援企画を開催。秩父錦を体感するお風呂を提供、甘酒を使ったクリームソーダを販売します

従業員の遊び心を育む温泉道場の企業文化

──齊藤さんは社長室に所属され、広報PRと社長秘書を兼任されているそうですね。どのような場面でやりがいを感じますか。

私たちの会社は、店舗数も増えて、事業領域もどんどん広がっていて、飽きる暇がありません。入社当初は温泉事業だけだったのに、今は魚の養殖事業をやっていたり、BCリーグというプロ野球のチームを運営していたりと、同じ会社のなかで転職をしているような感覚になるほどです。私自身は新しいことに取り組むのが好きなので、おかげさまで日々やりがいを感じながら楽しんで仕事をしています。

また、社長秘書を兼務していることも、広報PRの仕事に生きていると感じています。社長に帯同して講演会へ同行したり、日頃から話を聞いたりする機会が多いので、社長が大切にしている考え方や価値観が自然と身についていますね。

──社長の考え方や価値観の理解は大切ですよね。特に印象に残っていることはありますか。

社長の山崎は常々、「私たちはサービス業でお客さまを楽しませる仕事なのだから、自分たちが楽しいことを知らなければ、お客さまを楽しませることはできない」と話しています。その考えのもとスタートしたのが、「ONDOゼミ」で、従業員が普段は味わえない特別な体験をできる機会を設けてくれています。

こうした経験を通じて、従業員一人ひとりが自分自身の感性を広げ、それを店舗づくりやお客さまへのサービスに生かしていくよう体現しているんだと思いますね。

株式会社温泉道場さま

──「自分たちがまず楽しむ」という企業文化が、さまざまな企画につながっているのですね。では最後に、「さあ、地域を沸かそう」という企業テーマを、広報PRとしてどのように社会へ伝えていきたいとお考えですか。

私たちは自社で店舗を運営するだけでなく、地域で運営が難しくなっている温浴施設の再生にも取り組んでいます。そうした地域には、まだまだ知られていない魅力がたくさんあるので、その土地ならではの価値を広報PRを通じて多くの方に知っていただきたいです。

埼玉県内で毎年実施しているイベントでも、お手伝いしている地域で同じ企画を実施すると、新たにメディアに取り上げていただけることがあります。地域が変われば、新しい切り口として伝えられることも多く、広報PRの可能性を感じているんです。

現在は北海道から岡山まで、全国各地の施設の運営や再生をお手伝いしていますが、今後もさまざまな地域と関わりながら、その土地ならではの魅力を発信していけたらと思っています

株式会社温泉道場さま

まとめ:現場の思いと地域の魅力を社会へ届ける

従業員一人ひとりの「こんなことをやりたい」を起点に、アイデアあふれる多彩な企画を展開する株式会社温泉道場。齊藤さんは、その思いを最初の読者として受け取り、企画の背景や伝えたいことの核を引き出しながら、社会に届くニュースへと磨き上げています。

なかでも印象的だったのは、「自分たちがまず楽しむ」という企業文化が、地域企業との共創やその土地ならではの企画にもつながっているという点です。一方的に情報を発信するのではなく、地域の人や企業とともに価値を生み出していく姿勢が、「さあ、地域を沸かそう」という企業テーマを体現しています。

企業の取り組みを知らせるだけでなく、現場にある思いや地域の魅力を見つけ、社会へ届けていくことも、広報PRの大切な役割のひとつです。現場のアイデアを引き出し、地域の文脈に乗せて発信していくという温泉道場の取り組みには、「誰が、何のために動いているか」が話題化の起点になることを示していました。規模や予算に関わらず、実践できる広報PRのヒントが詰まっています。

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この記事のライター

PR TIMES MAGAZINE執筆担当

PR TIMES MAGAZINE執筆担当

『PR TIMES MAGAZINE』は、プレスリリース配信サービス「PR TIMES」等を運営する株式会社 PR TIMESのオウンドメディアです。日々多数のプレスリリースを目にし、広報・PR担当者と密に関わっている編集部メンバーが監修、編集、執筆を担当しています。

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