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店舗の認知度を上げる方法15選|上がらない原因から実践ステップ・成功事例まで解説

店舗の認知度を上げる方法15選|上がらない原因から実践ステップ・成功事例まで解説
この記事でわかること
店舗の認知度を上げるには、商圏内の生活者との接点を増やし、店舗の存在や特徴を知ってもらうことが重要です。本記事では、店舗の認知度が上がらない原因を整理し、SNSやGoogleビジネスプロフィール、プレスリリース、地域施策など15の方法を紹介。実践ステップや成功事例、失敗を防ぐポイントまでまとめています。

「SNSを毎日更新しているのに新規のお客さまが増えない」「オープン時はメディアに紹介されたものの、その後の反響が続かない」。こうした場合、個別の施策を増やす前に、商圏内で店舗がどのように認知されているかを確認する必要があります。

本記事では、店舗ならではの認知度の捉え方から、認知が広がらない原因、オンライン・オフラインの具体策、実践ステップ、成功事例、失敗パターンまでを解説します。

目次
  1. 店舗の「認知度」とは?集客の土台になる考え方

  2. 店舗の認知度が上がらない原因

  3. 店舗の認知度を上げる方法【オンライン施策】6選

  4. 店舗の認知度を上げる方法【オフライン・地域密着施策】5選

  5. 費用をかけずに店舗の認知度を上げる方法4選

  6. 店舗の認知度を上げる実践ステップ

  7. 店舗の認知度アップの効果を高めるポイント

  8. 店舗の認知度アップに成功した事例

  9. 店舗の認知度アップでよくある失敗パターンと対策

  10. まとめ:認知度は「商圏内での接点」を地道に積み上げることで築かれる

店舗の「認知度」とは?集客の土台になる考え方

店舗では、全国的な知名度ではなく、商圏内の来店してほしい人に店舗の存在や特徴を知ってもらうことが重要です。認知は、来店やその後のリピートにつながる顧客行動の入り口にあたります。

店舗の「認知度」とは?

店舗の認知度は何の店かまで知られている状態

店舗では、店名を知られているだけでなく、何を提供する店なのか、どのような特徴があるのかまで理解されていることが重要です。

店名を見聞きしたことがあっても、扱う商品・サービスや価格帯、利用する場面が伝わっていなければ、店を選ぶ際の候補に入りにくくなります。例えば、駅前に新しい店ができたと知っているだけの場合と、仕事帰りに一人で立ち寄れる手打ち蕎麦の店だと知っている場合では、後者の方が利用場面を具体的にイメージできます。

店舗から情報を発信するときも、店名だけでなく、誰に、どのような場面で、何を利用できる店なのかまで伝えます。商品やサービス、価格帯、利用シーンなど、来店を判断するために必要な情報が伝わっているかを確認しましょう。

店舗の認知度は商圏と顧客層を基準に考える

店舗の場合、全国的にどれだけ知られているかよりも、実際に来店する可能性のある商圏内で認知されているかが重要です。

住宅街にある店なら近隣住民、駅前店舗なら通勤・通学者、観光地なら旅行者など、優先して知ってもらう相手は立地によって異なります。徒歩、自転車、車など、主な来店手段によっても商圏は変わります。

そのため、認知度を考える際は、まず店舗に来店できる範囲を整理し、その中で特に来店してほしい顧客層を具体化します。全国や広い地域で認知を獲得することよりも、商圏内の必要な人に店舗の存在と特徴が伝わっているかが、店舗の認知度を考える基準です。

認知度は認知→来店→リピートの入り口になる

店舗を利用してもらうには、まず店舗の存在を知ってもらう必要があります。さらに、何の店なのか、自分の目的に合うのかが伝わることで、行ってみたい、利用してみたいという検討の対象になります。

一方、割引やキャンペーンなど短期的な集客施策を実施しても、店舗の存在や特徴を知られていなければ、そもそも店を選ぶ際の候補に入りにくくなります。認知度向上は、こうした来店施策を届けるための前提になると考えられます。

店舗における顧客行動は、次のように整理できます。

イメージ
図:AIにより生成

認知度が高まったからといって、必ず来店につながるわけではありません。ただし、店舗が選択肢に入るためには、まず存在や特徴を知ってもらう必要があります。認知→来店→リピートの流れを意識し、集客だけでなく、その前段階となる認知から考えることが店舗施策の出発点です。

店舗の認知度が上がらない原因

店舗の認知度が上がらない背景には、発信量だけでなく、誰に何を伝えるかが曖昧だったり、店舗を知ってもらう接点が限られていたりすることがあります。まずは自店舗がどこでつまずいているのかを整理すると、次に取り組む施策を選びやすくなります。

商圏と顧客層が明確になっていない

店舗の認知度を高めるには、まず誰に知ってほしいのかを明確にする必要があります。来店可能性の低い人まで広く発信対象にすると、店舗周辺で優先して知ってもらいたい人に合わせた情報を設計しにくくなります。

同じ店舗でも、平日昼に利用してほしいのか、休日の家族利用を増やしたいのかによって優先して情報を届ける相手や発信内容は異なります。

店舗周辺の居住者や通行者、既存顧客の来店時間帯や利用目的などを確認し、商圏と来店してほしい顧客像の両方から認知を広げる相手を明確にしましょう。

店舗の存在は知られていても、何の店か伝わっていない

店名や店舗の存在を知られていても、何を扱う店なのかが伝わっていなければ、来店候補には入りにくくなります。

例えば、店舗の前を何度も通っていても、看板やSNSから商品・サービス、価格帯、利用シーンがわからなければ、自分に合う店か判断できません。認知度を考える際は、店名が知られているかだけでなく、何の店で、どのようなときに利用できるのかまで伝わっているかを確認します。

店頭、Googleビジネスプロフィール、SNSなどを見直し、初めて見る人にも商品・サービスや利用シーンが伝わるかを確認することが、自店舗の課題を把握する手がかりになります。

他店との違いや選ばれる理由が伝わっていない

同じ商圏に似た店舗が複数ある場合、商品やサービスの種類だけを伝えても、ほかの店舗との違いがわかりにくくなります。存在を知ってもらえていても、選ぶ理由が伝わっていなければ比較・検討の段階で埋もれやすくなります。

品ぞろえ、専門性、価格、接客、営業時間、立地、店舗での過ごし方など、来店客が評価している点は店舗によって異なります。自店側が強みだと考えている内容だけでなく、口コミや来店客の声も確認すると、実際に選ばれている理由を把握できます。

そのうえで、店頭やWeb、SNSで同じ強みが伝わっているかを確認し、発信先によって内容にずれがあれば見直しましょう。

店舗を知ってもらう接点が限られている

店舗を知ってもらう機会が店頭やひとつの発信手段に偏っていると、商圏内にいても店舗の存在を知らない人が残ります。

例えば、通りに面した店舗でも、その道を利用しない人には情報が届きません。反対にSNSだけを運用していても、そのアカウントを見ていない近隣住民とは接点を持てません。店舗の認知を広げるには、生活者が店舗を知る場所をひとつに限定しないことが必要です。

来店客が何をきっかけに店舗を知ったのかを聞き、店頭、検索、SNS、口コミ、地域情報など、現在の認知経路を洗い出すと、接点の偏りを把握できます。

店舗の立地や外観を認知獲得に生かせていない

店舗では、看板や入口、ショーウインドーなどの外観そのものも、商圏内の生活者に情報を伝える接点です。Webで積極的に発信していても、店舗の前を通る人に何の店か伝わらなければ、日常的な認知機会を生かせません。

看板から店名しかわからない、入口から営業中か判断しにくい、商品や価格帯が外から見えないといった場合状態では、店舗の特徴や利用方法が伝わりません。

店舗の外から見たときに、何を提供しているのか、営業中か、どの程度の価格帯なのかなど、来店判断に必要な情報が伝わる状態を整えます。店舗そのものも、商圏内の生活者に情報を届ける発信場所のひとつです。

店舗の認知度を上げる方法【オンライン施策】6選

オンライン施策は、店頭を通る人だけでなく、検索やSNS、メディアなどを通じて店舗を知る接点を増やせる方法です。商圏内の生活者に届ける施策に加え、プレスリリースのように自店の既存顧客やフォロワー以外へ情報を広げる方法もあります。SNSだけに認知拡大を任せず、検索時に店舗情報を確認できるGoogleビジネスプロフィールや、記者・編集者へ情報を届けるプレスリリースと役割を分け、店舗の目的や届けたい相手に合わせて組み合わせます。

ピックアップ

プレスリリース配信:メディア掲載を通じて商圏の外にも認知を広げる

プレスリリースは、新店舗のオープンや新商品だけでなく、周年、限定メニュー、リニューアル、地域連携、イベントなど、店舗の取り組みをニュースとして外部へ届ける手段です。店舗の公式サイトやSNSとは異なり、記者や編集者へ情報を届けられるため、メディア掲載につながれば、自店と接点のなかった生活者にも知ってもらう機会が生まれます。

店舗では、大きな発表がなければ配信できないと考えず、新規性や地域性、季節性、社会的なテーマとの関係から発信できる情報を探します。例えば、地元の農家と連携した地域食材の限定メニュー、商店街と共同で開催するイベント、地域の祭りに合わせた限定企画なども、プレスリリースの題材になります。メディアに掲載されれば、店舗側の発信だけでは届きにくい層にも、店名や店舗の特徴、取り組みを知ってもらう機会が広がります。

広報PR担当者は、日々の店舗運営から外部へ伝える価値のある情報を拾い、新商品やイベントなどの企画が決まった段階で、プレスリリースとして発信できるニュースがないか確認しましょう。

Googleビジネスプロフィールの最適化(MEO):ローカル検索で見つけてもらいやすくする

Googleビジネスプロフィールは、「〇〇区 居酒屋」や「近くのカフェ」など、地域や業種で店舗を探している人に対し、Google検索やGoogleマップ上で店舗情報を見つけてもらうための基本的な施策です。営業時間、所在地、商品・サービス、外観や店内の写真などを整えておくことで、店舗を比較・検討する際の判断材料になります。

情報に変更があれば反映し、写真やメニューなども現在の内容に合わせて更新します。口コミが投稿された場合は内容を確認し、必要に応じて返信します。

広報PR担当者だけで管理するのではなく、営業時間の変更、新商品、イベントなど店舗側で発生した情報を共有できる流れを決めておくと、Google上に古い情報が残る状態を防ぎやすくなります。

SNSアカウントの戦略的運用:検索・広報PRと組み合わせて店舗の魅力を伝える

InstagramやTikTok、XなどのSNSは、店内の様子やスタッフ、調理・制作の過程など、文章だけでは伝えにくい店舗の雰囲気を写真や動画で発信する方法です。運用を始める際は、誰に何を伝え、どのような行動につなげたいのかを整理します。

新規顧客に店舗を知ってもらうなら、看板メニューや店内の様子、利用しやすい時間帯など、初めて見る人が来店後の過ごし方を想像できる情報を発信します。地域名や位置情報も投稿に加え、プロフィールやハイライトには、メニュー、営業時間、アクセス、予約先などをまとめておきましょう。既存顧客に向けては、新商品やイベント、季節限定メニューなど、再来店のきっかけとなる情報が中心です。

<SNS運用時の注意点>
SNSでは、同じアカウントから投稿しても、毎回同じ人数や、同じユーザーに表示されるとは限りません。また、過去の情報は新しい投稿に埋もれやすいという特性もあります。運用時は、次の点に注意しましょう。

・フォロワーには商圏外の人や既存顧客も含まれることがあり、フォロワー数と商圏内での認知度は必ずしも一致しない
・投稿の表示範囲はアルゴリズムに左右され、商圏内の新規顧客へ安定して届くとは限らない
・過去の投稿はタイムライン上で見つけにくく、継続して確認してほしい情報を投稿だけで伝えるのは難しい

SNSは店舗の雰囲気や最新情報を伝える役割に重点を置き、検索時に確認してほしい情報はGoogleビジネスプロフィール、フォロワー以外への発信はプレスリリースと役割を分けます。プレスリリースの配信やメディア掲載をSNSでも紹介するなど、施策を連動させることで、店舗の情報に触れる経路を増やせます。

公式LINE・メルマガの活用:見込み客との接点を維持する

公式LINEやメールマガジンは、すでに店舗と何らかの接点を持った人へ継続的に情報を届ける手段です。SNSのように不特定多数へ広げる役割とは異なり、一度来店した顧客や登録した見込み客に、店舗を思い出してもらう接点として活用できます。

営業時間の変更などを定期的に届けるほか、新商品の案内や雨の日の限定特典など、店舗を利用する理由になる情報を組み合わせます。配信頻度だけを増やすのではなく、登録者にとって必要な情報かどうかを基準に内容を選びます。

SNSで店舗を知った人をLINE登録へ案内するほか、店頭POPやレジ横で友だち追加のメリットを伝え、登録時に次回使える特典を準備するなど、認知後もつながりを維持できる導線を用意しておきましょう。

Web広告・SNS広告の出稿:地域と顧客層を絞って情報を届ける

Web広告やSNS広告では、地域や年齢、興味・関心などの条件を設定し、店舗周辺の生活者へ情報を届けられます。自然検索や通常のSNS投稿とは異なり、配信する地域や対象を設定できるため、新店舗のオープンやリニューアル、期間限定イベントなど、特定の時期に認知を広げたい場面でも活用できます。

出稿する際は、広い範囲へ一律に配信するのではなく、店舗まで来店できる範囲や利用してほしい顧客像をもとに条件を設定します。看板商品やイベントなど店舗の特徴が伝わる写真・動画を使用し、広告からGoogleビジネスプロフィールや店舗サイト、予約ページなどへ移動できる導線も整えておきます。

費用をかければ必ず認知度が上がるわけではありません。配信地域や広告の表示・クリック状況を振り返り、想定した相手に届いていなければ、配信条件や内容の見直しが必要です。

ポータルサイト・グルメサイトへの掲載:比較・検討層へアプローチする

飲食店や美容室、宿泊施設などでは、ポータルサイトやグルメサイト、予約サイトを使い、地域や業種、価格帯などの条件から店舗を探す人もいます。店舗情報を掲載しておくことで、すでに条件を絞って比較・検討している人に店舗を知ってもらう接点をつくれます。

掲載する際は、店名や住所だけでなく、商品・サービス、価格帯、営業時間、外観・店内の写真など、来店を判断するための情報をそろえます。店舗の特徴や他店との違いが伝わる内容になっているか、公式サイトやGoogleビジネスプロフィールと情報に食い違いがないかも見直します。

ポータルサイトだけに情報を任せず、自社サイトやSNSなどでも店舗の特徴を一貫して伝えます。検索や比較を通じて店舗を知った後に詳しい情報を確認できるよう、自社サイトやSNSなどへの導線もそろえておきましょう。

店舗の認知度を上げる方法【オフライン・地域密着施策】5選

店舗の認知度を高めるには、Web上の発信だけでなく、商圏内の生活者が日常の中で店舗を知る接点を増やす方法もあります。店頭やチラシ、地域イベントなど、日常の生活圏で店舗を知ってもらう方法を組み合わせることで、オンラインでは届きにくい層にも情報を届けられます。

店頭・ファサードの見直し:通行人の視線を惹きつける

看板やのぼり、ショーウインドーなどの店頭は、店舗の前を通る人に情報を伝える身近な接点です。店名だけでなく、何を扱う店なのか、価格帯やおすすめ商品などが外からわかるようにすると、店舗の特徴を理解してもらいやすくなります。

入口付近にメニューや商品写真を掲示する、季節商品を目立つ位置に置くなど、通行人の目線から情報を見直します。SNSやWebサイトと店頭で、店舗の特徴や訴求する内容にずれがないかも確認しましょう。

チラシ配布・ポスティング:商圏内の世帯へダイレクトに届ける

チラシ配布やポスティングは、店舗周辺の住宅や事業所など、エリアを絞って情報を届ける方法です。Web検索やSNSを日常的に利用しない人にも、店舗の存在や商品・サービスを知らせる接点になります。

配布範囲は広げすぎず、徒歩や自転車など実際に来店しやすい地域を基準に設定します。新店舗のオープンやイベント、期間限定メニューなど、来店するきっかけがわかる情報を盛り込み、地図や営業時間もわかりやすく掲載します。

地域イベント・マルシェへの出店:体験を通じて記憶に残す

地域のお祭りやマルシェ、商店街のイベントなどへの出店は、店舗を知らなかった地域住民と直接出会える機会です。商品を試してもらったり、スタッフと会話したりすることで、店名だけでは伝わりにくい店舗の特徴を知ってもらえます。

出店時は、店舗名や所在地がわかる掲示物を用意し、チラシやショップカードも配布します。Googleビジネスプロフィールや予約ページへつながる二次元コードを載せておけば、イベント後に店舗情報を調べたり、来店を検討したりする際の導線になります。

イベント参加をその場限りにせず、実店舗やオンラインの情報へつなぐ接点として設計することがポイントです。

近隣店舗・事業者とのコラボ企画:互いの顧客層へ相互アプローチする

近隣店舗や地域の事業者とのコラボレーションは、それぞれが持つ顧客との接点を生かして店舗を知ってもらう方法です。例えば、飲食店と花店で限定商品を企画する、異業種店舗同士でスタンプラリーを実施するなどの取り組みが挙げられます。

相互にチラシを設置したり、共同企画をSNSや店頭で発信したりする際は、自店の場所や営業時間がわかる案内や、Googleビジネスプロフィールなどにつながる二次元コードを用意すると、コラボをきっかけに店舗を知った人が詳しい情報を確認できます。

企画内容に地域性や季節性があれば、プレスリリースなど広報PRで発信する題材にもなります。

地域フリーペーパー・ローカル紙への掲載:地域住民の信頼を得る

地域のフリーペーパーやタウン誌、ローカル紙は、特定の地域に住む人へ店舗情報を届けられる発信先です。新店舗のオープンや地域イベントへの参加、季節限定の商品など、地域住民と関係の深い情報と相性が良いテーマです。

広告枠を利用する方法に加え、地域性のある取り組みを編集部へ情報提供し、記事として掲載してもらう方法もあります。店舗の紹介だけでなく、地域住民にとってのニュース性や役立つ情報を整理したうえで、案内状やプレスリリースを送付しましょう。

費用をかけずに店舗の認知度を上げる方法4選

広告費などの予算が限られている場合でも、すでにある情報や顧客とのつながりを活用すれば、店舗を知ってもらう方法もあります。ここでは、無料で使えるサービスや日々の店舗運営で得られる情報など、既存の資源を生かして認知を広げる4つの方法を紹介します。

無料プラットフォーム(Google・SNS等)の徹底活用

GoogleビジネスプロフィールやSNSは、登録や基本運用に費用をかけずに使える発信先です。新たに広告を出す前に、営業時間、定休日、住所、写真、メニューなど、すでに掲載できる情報を十分に整えます。

例えば、Googleビジネスプロフィールでは店舗の外観やメニュー、季節の案内を最新の内容に更新し、SNSではプロフィールに店舗の特徴や所在地を明記します。来店前に知りたい情報が抜けていないか、古い情報が残っていないかを定期的に見直すことも欠かせません。

新しい施策を増やす前に、現在使っている無料サービスに掲載する情報を充実させ、十分に活用することから始めましょう。

地域メディアやブロガーへの情報提供(パブリシティ)

地域メディアやブロガーへ直接情報を提供し、広告枠を購入せずに記事や取材につなげる方法です。地元のケーブルテレビ、地域Webメディア、地域情報を発信するブロガーなどから、商圏や読者層が店舗と合う発信先を探します。

情報提供では、単なる店舗紹介ではなく、地元の特産品を使った新メニュー、地域の歴史にちなんだ限定企画、地域イベントへの参加など、地域住民との関係が伝わる切り口を整理します。店舗のこだわりや企画の背景も簡潔にまとめると、情報の内容を伝えやすくなります。

編集部や記者、運営者の連絡先を確認し、案内状やプレスリリースを送付して取材や掲載の機会をつくります。

スタッフや顧客の声を活かした「人」が見える発信

スタッフの想いや日々の仕事、顧客から寄せられた声など、店舗で日常的に生まれる情報も発信素材になります。商品・サービスの紹介だけでなく、スタッフがおすすめする理由や仕込みの様子、店主が大切にしている考え方などを伝えることで、店舗の雰囲気や人柄を知ってもらえます。

顧客の声を紹介する場合は、本人の許可を得たうえで、実際の利用目的や感想を掲載します。日々の接客で寄せられる質問や印象に残った出来事をメモしておけば、新たに撮影や制作を外注しなくても、SNSなどで継続的に発信する題材として活用できます。

既存顧客による紹介・口コミ(口コミ紹介カード等)の仕組み化

既存顧客からの紹介や口コミは、新たな広告費をかけずに店舗を知ってもらうきっかけになります。自然に広がるのを待つだけでなく、顧客が友人や知人へ店舗を紹介しやすい仕組みを用意しておくことがポイントです。

例えば、友人に手渡せる紹介カードをレジ横に置く、ショップカードにGoogleビジネスプロフィールへつながる二次元コードを載せるなど、店舗情報を共有しやすい形にします。口コミを依頼する場合は内容を指定せず、利用後の率直な感想を投稿してもらえるよう案内します。

紹介カードの設置場所や会計時の案内方法を決め、日常の店舗運営の中で無理なく続けられる形を整えましょう。

店舗の認知度を上げる実践ステップ

店舗の認知度向上は、施策を思いつくまま始めるのではなく、商圏や現在の認知経路を把握したうえで優先順位を決めると進めやすくなります。ここでは、店舗の現状を整理し、施策の実行と改善まで進める5つのステップを紹介します。

ステップ

STEP1.商圏と来店してほしい顧客を整理する

まず、店舗の立地や交通アクセスを踏まえて商圏を整理し、その中で優先して認知を広げたい顧客像を明確にします。

既存顧客の居住エリアや来店時間帯、利用目的も手がかりになります。例えば、次のように来店する人と利用場面を組み合わせて整理します。

  • 近隣の居住者:日常の買い物やサービス利用
  • 周辺の勤務者:昼休みや仕事帰りの利用
  • 休日の来訪者:買い物やレジャーに合わせた利用

誰に、どのような場面で利用してほしいのかまで具体化し、その顧客に届きやすい施策と、利用場面に合った発信内容を選びます。

STEP2.店舗が現在どこで見つけられているか確認する

次に、生活者が店舗を知る接点として、現在何を持っているのかを洗い出します。Google検索・Googleマップ、SNS、自社サイトだけでなく、店頭の看板や口コミ、知人からの紹介など、オンラインとオフラインの両方を確認します。

この段階では、それぞれの接点があるかだけでなく、必要な情報を掲載できているかも確認します。例えば、Googleビジネスプロフィールは登録しているものの情報が古い、SNSは運用しているものの所在地がわかりにくい、店頭から店舗の特徴が伝わらないといった状態です。

現在機能しているものと十分に活用できていないものを分けることで、補うべき点を明らかにしていきます。

STEP3.店舗を選ぶ理由となる情報を整理する

次に、顧客が他店ではなく自店を選ぶ理由となる情報を整理します。商品・サービス、価格帯、専門性、接客、立地、店内の雰囲気などから、自店の特徴を洗い出します。

店舗側が強みだと考えている点だけでなく、口コミや来店客の声から、実際に評価されている点や来店・再訪の理由も確認します。店舗側の認識と顧客の評価を照らし合わせ、何を優先して伝えるのかを判断します。

そのうえで、店頭、Googleビジネスプロフィール、SNSなどで共通して伝える内容を言語化します。ここで整理した情報は、プレスリリースやメディアへの情報提供など、広報PRで店舗の特徴を説明する際の基礎情報にもなります。

STEP4.オンライン・店頭・地域の接点から施策を選ぶ

商圏や来店してほしい顧客、現在不足している接点をもとに、自店舗で取り組む施策を選びます。GoogleビジネスプロフィールやSNSなどのオンライン施策、看板やチラシ、地域イベントなどのオフライン施策から、優先順位を付けて組み合わせます。

すべてを一度に始める必要はありません。例えば、Google検索・Googleマップ上の情報が不足している場合はGoogleビジネスプロフィール、近隣住民との接点が少ない場合はチラシや地域イベントなど、これまでのステップで整理した顧客像や不足している接点に応じて検討します。

実施に必要な人員や時間も踏まえ、無理なく継続できる施策から始めましょう。

STEP5.来店につながった経路を確認して改善する

施策を実施した後は、それぞれにどのような反応があったのかを確認します。Google検索・Googleマップでの反応、SNSやWebサイトの閲覧状況、クーポンの利用、イベント参加など、実施した施策に応じて確認する項目を決めます。

数値だけでは来店のきっかけを把握できない場合もあるため、会計時に店舗を何で知ったのかを聞くなど、来店客から直接情報を集める方法も取り入れます。

確認した結果を次回の施策に反映し、反応があった施策は継続、十分な反応が得られなかった施策は発信内容や実施方法を見直します。計画・実行・確認・改善のPDCAサイクルを繰り返し、施策の組み合わせや運用方法を自店舗に合った形へ調整していきましょう。

店舗の認知度アップの効果を高めるポイント

店舗の認知度を高める施策を継続して運用するには、発信内容や見せ方、店内の体制、振り返りの基準まで整えておく必要があります。ここでは、前章の実践ステップを進める際に押さえておきたい4つのポイントを解説します。

ポイント

発信の切り口を「宣伝」から「社会的・地域的テーマ」へ広げる

店舗からの情報発信は、商品やサービスの紹介だけでなく、地域や社会との接点から切り口を考える方法もあります。例えば、地元食材を使った新商品の開発、地域イベントとの連携、食品ロスや子育て支援など地域課題に関わる取り組みは、店舗情報とは異なる文脈から伝えられます。

プレスリリースやメディアへの情報提供では、店舗が伝えたい内容だけでなく、その地域の生活者や読者にとってどのような意味があるのかを整理します。店舗単体の告知ではなく、地域や社会に関わる情報として切り口を広げることで、メディアへ情報提供する理由も明確になります。記事掲載につながれば、店舗が普段発信しているSNSやWebサイトとは異なる読者に店舗を知ってもらう接点にもなります。

写真・ビジュアルのトーン&マナーを統一する

店頭、Googleビジネスプロフィール、SNS、Webサイト、チラシなどで使用する写真やデザインは、店舗ごとに一定のルールを決めておきます。発信先ごとに写真の雰囲気やデザインが大きく変わらないよう、共通して使用する要素を用意します。

例えば、ロゴの使い方、写真の明るさや構図、使用する書体、商品写真の背景など、繰り返し使う要素からルールを決めます。すべてを同じデザインにするのではなく、店舗らしさを示す要素を共通させることがポイントです。店頭とWeb上の発信を見比べると、店舗の印象に大きな違いがないかを把握できます。

情報発信を仕組み化し、社内・店内で継続できる体制をつくる

SNSやWebサイトなどの更新を継続するには、特定の担当者だけに依存せず、日常業務の中で情報を集めて発信する流れを決めておきます。

例えば、スタッフが新商品や店内の様子を撮影して共有フォルダに保存する、SNSの投稿担当と確認担当を決める、地域イベントや季節商品の予定をカレンダーで共有するなど、店舗の規模に合った方法を選びます。プレスリリースにできる新商品やイベントなどの情報も日頃から共有しておけば、発信機会を逃しにくくなります。

認知度を計測する定量・定性指標(KPI)をあらかじめ設定する

施策を始める前に、何を確認して認知度の変化を判断するのかを決めておきます。Google検索・Googleマップでの表示や反応、Webサイトへのアクセス、メディア掲載件数などの数値に加え、来店客が店舗を知った経路も確認材料になります。

指標は施策に合わせて設定します。Googleビジネスプロフィールを強化するならプロフィール上で確認できる反応、プレスリリースを配信するならメディア掲載件数、地域イベントなら来店時の聞き取りなど、施策と確認項目を対応させます。実施前に数値や状況を記録し、実施後に同じ基準で比較できる状態を整えておきましょう。

店舗の認知度アップに成功した事例

店舗の認知度を高める方法を検討する際は、実際の店舗による情報発信の内容や、新たな顧客との接点を広げた過程が施策を考える手がかりになります。ここでは、プレスリリースや地域との連携などを活用し、既存の発信だけでは届きにくかった層へ情報を届けた3社の事例を紹介します。

事例1.居酒屋チェーン「日本酒原価酒蔵」|既存客だけでは届かない層に、プレスリリースで新規層を開拓

居酒屋チェーンの日本酒原価酒蔵では、公式アプリの会員約23万人への情報発信によって安定した集客ができていました。しかし、コロナ禍でアルコール提供が難しくなり、それまでとは異なる顧客層へのアプローチが必要になったことから、本格寿司の食べ放題企画を実施しました。

アプリ会員への告知では数百名の予約が入ったものの、さらに広く企画を知らせるため、PR TIMESでプレスリリースを配信。プレスリリースは9万アクセスを記録し、さまざまなメディアにも掲載されました。予約は3日間で1店舗あたり約2,000名に達し、企画実施期間のWebサイトの新規訪問者数も、それまでの平均2万人から4万人以上へ増加しています。

既存顧客への情報発信だけにとどまらず、プレスリリースを活用することで、新たな層へ情報を届ける経路を広げています。

事例2.お亀堂|地域とのコラボ企画を発信し、新たな顧客層への認知を拡大

愛知県豊橋市の老舗和菓子店お亀堂は、従来は年配の顧客が中心でした。そこで、SNSやプレスリリースによる情報発信に加え、地域やコラボレーションの視点を取り入れた商品開発に取り組んでいます。

豊橋市発祥のブラックサンダーとのコラボレーションによるブラックサンダーあん巻きでは、若い世代や男性客が増加。また、酷暑の影響で規格外となった地元産サツマイモを使った鬼まんじゅうでは、地元青果市場と協力し、地域性に加えてフードロスという社会的な背景も含めてプレスリリースで発信しました。この取り組みは地元メディアに多数掲載されています。

商品そのものだけでなく、地域とのつながりや社会的な背景まで発信することで、メディアが掲載する切り口をつくっている点も参考になります。

事例3.豊島屋|継続的な情報発信で店舗・ブランドを想起してもらう機会を創出

神奈川県鎌倉市の豊島屋がプレスリリースの配信を始めたきっかけは、2022年の新店舗オープンでした。当時の主な発信手段は自社サイトとInstagramでしたが、新店舗をより多くの人に知らせるため、PR TIMESでプレスリリースを配信しました。

その後は、8月10日の「鳩の日」に合わせた限定商品の情報も継続してプレスリリースで発信。2023年には多くのメディアに掲載され、オンラインストアへアクセスが集中しました。2024年の鳩の日では、プレスリリースが130万PVを記録し、オンラインと店舗で前年の倍以上の反響があったとしています。

新店舗のオープンだけで発信を終えず、記念日などニュースとなる機会を捉えることで、プレスリリースを単発ではなく継続的な情報発信に活用しています。

店舗の認知度アップでよくある失敗パターンと対策

店舗の認知度向上では、施策を増やすだけでなく、誰に何を伝えるのか、どのように継続・検証するのかまで考える必要があります。ここでは、取り組みを進める際に起こりやすい4つの失敗と、その対策を整理します。

失敗パターン1.複数の施策を一気に始めて手が回らなくなる

Googleビジネスプロフィール、SNS、チラシ、プレスリリースなどを一度に始めると、更新や情報収集に必要な時間が増え、継続できなくなることがあります。特に少人数で店舗運営と情報発信を兼務している場合は、担当者の負担も考慮する必要があります。

前章の実践ステップで整理した商圏や不足している接点をもとに、優先順位を付けて着手します。実施に必要な作業量や更新頻度も確認し、無理なく続けられる施策から始めましょう。

失敗パターン2.発信内容が自店の「宣伝」ばかりで読まれない

新商品や価格、キャンペーンなど店舗側が伝えたい情報だけを発信していると、生活者にとって読む理由がわかりにくくなることがあります。

例えば、商品の紹介だけでなく、開発の背景やおすすめの利用場面、地域との取り組みなど、利用を判断する材料になる情報を加えます。

プレスリリースやメディアへの情報提供では、地域との関わりや社会的なテーマなど、店舗の告知以外にもメディアへ情報提供する理由になる要素を探しましょう

失敗パターン3.来店してほしい顧客を広げすぎて誰の心にも刺さらない

幅広い人に知ってもらおうとすると、結果として誰に向けた情報なのかわかりにくくなることがあります。

商圏内で優先して来店してほしい顧客を決め、利用する場面まで具体化します。平日昼の利用、仕事帰りの立ち寄り、休日の家族利用など、発信の目的に応じて相手とメッセージを分けることで、対象を広げすぎて内容が曖昧になるのを防げます。

失敗パターン4.効果測定をしておらず何が効いたかわからない

施策を実施しても、確認する指標を決めていなければ、どの取り組みに反応があったのかを判断しにくくなります。効果がわからないまま同じ施策を続けたり、新しい施策を増やしたりすると、改善すべき点も見えにくくなります。

施策ごとに確認する指標を決め、実施前後の変化を比較できるようにしておきます。複数の施策を行う場合も、それぞれ何を見て継続・見直しを判断するのかをあらかじめ決めておけば、実施後の振り返りがしやすくなります。

まとめ:認知度は「商圏内での接点」を地道に積み上げることで築かれる

店舗の認知度を上げる方法について、オンライン・オフライン・広報PRの施策から、実践ステップ、成功事例、失敗パターンまで紹介しました。

店舗にとって重要なのは、全国的な知名度ではなく、来店が見込まれる商圏内の生活者に店舗の存在や特徴を知ってもらうことです。SNSやGoogle検索・Googleマップ、店頭、地域との連携、プレスリリースなど、複数の接点から情報を届けていきます。認知は来店の入り口であり、その先のリピートにつながる顧客との関係づくりの起点にもなります。

まずは来店客に店舗を何で知ったのかを聞き、現在の認知経路を確認してみましょう。そこから不足している接点を見つけ、自店舗に合った施策をひとつ選ぶことが、認知度向上の第一歩です。

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この記事のライター

酒井 美和子

酒井 美和子

広報PR歴20年以上。映画や映画祭などの広報を経て、映像関連の上場企業にて12年間、広報担当として従事。某週刊誌報道を起点とする危機管理広報の実務経験あり。現在はプレスリリースの執筆(累計200本超)をはじめ、広報用ビジュアルのデザインやSNSアカウントの運営など、情報発信全般に携わっている。

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