プレスリリースの反響を高めるには、記者や読者の関心を引く「メディアフック」の活用が欠かせません。メディアフックとは、ニュースとして取り上げられるための“きっかけ”となる要素のこと。限られた文字数や時間の中で、「読んでみたい」「知りたい」と思わせるフックを仕込むことで、情報が伝わりやすくなります。
本記事では、メディアフックの基本的な考え方から、プレスリリースに取り入れるポイント、実際の活用事例までをわかりやすく解説します。
メディアフックとは?
メディアフックとは、メディアが「ニュースとして取り上げたい」と感じる情報の価値や要素のことを指します。プレスリリースを通じて広く情報を届けたいと考えるなら、このメディアフックを意識することが欠かせません。
現在、企業は自社サイトやSNSなど、自由に情報を発信できる手段を数多く持っています。しかし、そうした一次発信とは異なり、新聞・テレビ・ウェブメディアなど第三者の視点を介して報じられる情報は、より客観性や信頼性を伴います。そのため報道価値につながる要素(メディアフック)がなければ、記者の目に留まりにくくなります。
「今この情報を伝える意義がある」「社会的に関心が高い」「読者の役に立つ」と感じさせる要素を備えていること。こうした要素が、メディアに選ばれるための重要なカギ=メディアフックであり、メディアを通じて情報を広く届けるためには欠かせない要素です。

メディアフックが重要な理由
世の中に膨大な情報があふれる今、人々は日々それらの情報を取捨選択しながら生活しています。企業は、プレスリリースに取り組みの背景や想いを盛り込み、より多くの人にその情報を届けたいと考えます。
しかし、「自社の取り組み」はあくまでも自社が主体となったものであり、ともすれば主張ばかりが目立ってしまうなど独りよがりになりがちです。独りよがりな情報は読み手にとって理解・共感しづらいものとなります。そこで、第三者であるメディア=記者視点でその情報を見ることで、そこに客観性を加えることが必要になるのです。
自社の取り組みは社会においてどのような位置付けなのか、どのように役立つのかなど、社会の中で自社が果たす役割を見ることで、多くの人が身近に感じ共感できる情報となります。
メディアフックとなる2つの視点
プレスリリースをメディアに取り上げてもらうためには、単に情報を発信するだけでは不十分です。報道に値する「ニュース性=メディアフック」が備わっているかが鍵となります。ここでは、記者の関心を引くための2つの視点、「9つのメディアフック」と「6つの感情」について紹介します。

記者の心をつかむ要素1:9つのメディアフック
メディアがニュースとして情報を取り上げる際に着目する要素として、以下の「9つのメディアフック」が挙げられます。自社の情報がどの要素に該当するかを明確にすることで、掲載の可能性を高められます。
1.時流/季節性
社会の動きや季節のイベントに合わせた発信は、話題性を高める鉄則です。時期を逃さず、適切なタイミングで配信することが重要です。
例:季節イベントや記念日に合わせたキャンペーン・限定企画の発表
参考:『スヌーピードロップス』最大2万名様以上に当たる!「バレンタインプレゼントキャンペーン」を開催
参考:PIXTA、機械学習用「猫種画像データセット」販売開始 | ピクスタ株式会社のプレスリリース
2.画像/映像
印象的なビジュアルは、言葉以上に情報の魅力を伝えます。報道素材として使える画像や動画を用意しておくと、メディアに取り上げられやすくなります。
例:写真や動画で魅力が伝わる商品・体験・イベントの発信
参考:横浜・みなとみらいの花火を高層20階の特等席で満喫 テラス&スカイプールで楽しむ「花火付き鑑賞プラン」
3.逆説/対立
常識への反論や対立構造は、読者の興味を惹きやすい切り口です。構図のわかりやすさがメディアの採用判断を後押しします。
例:常識を覆す商品・サービスや、対立構造が明確な企画の発表
参考:『モノポリー:スター・ウォーズ ヒーロー vs. ヴィラン』本日発売!「スター・ウォーズ」の世界を舞台に28人のキャラクターが登場
4.地域性
特定地域に密着した情報や地元性を打ち出すと、地方メディアや地域枠での掲載可能性が高まります。地域ごとの習慣や県民性の違い、特定の地域にフォーカスした情報などが挙げられます。具体的な県名や地名などを用いて紹介しましょう。
例:地域初出店や地元限定サービス、地域資源を活用したキャンペーンの実施
参考:【初上陸!】ついに岡山県へ。PISOLAが、2026年5月9日(土)中国エリアに初出店します!
5.話題性
注目を集めているコンテンツやトレンドと掛け合わせた企画は、相乗効果を生みやすくなります。タイアップやコラボも有効です。
例:話題のブランド・キャラクター・アーティストとのコラボ企画の発表
参考:「サボリーノ」と「CANDY TUNE」のコラボレーション第2弾が2026年6月1日(月)よりスタート!限定ノベルティが当たるキャンペーンも同時開催!毎日の朝を助ける新ビジュアルに注目
参考:【誰もが知る ”あのロングセラー菓子” が洗練された大人グッズに】話題のイラストレーター内田有美さん著『にっぽんのおかし』から、日常に溶け込むミニマルなトートバッグなど3種が新登場!
6.社会性/公益性
社会課題や公共性の高いテーマと結びついた情報、実施背景に社会的な文脈を入れられる情報は、企業の信頼性向上にも貢献します。
例:行政との連携や社会課題の解決につながる取り組みの発表
7.新規性/独自性
初めての試みや、「ここにしかない」「これしかない」といった独自性のある取り組みはニュース性が高いです。他にはない視点を強調しましょう。
例:他社にはない独自企画や、新たなプロジェクト・サービスの発表
参考:【ブランド誕生10周年】日本発、世界へ広がる”奇跡のスフレパンケーキ” FLIPPER’S。 感謝を込めたアニバーサリープロジェクトが7月9日(木)より始動
8.最上級/希少性
日本初・限定〇個など、数値的なインパクトがある情報は記者の目を引きます。明確な数字などで、価値の度合いが明らかに判断できるものは具体的な数字を出して紹介しましょう。
例:数量限定商品や希少素材を活用した企画・限定サービスの発表
参考:天然氷の名店「中町氷菓店」とソルト・コンソーシアムが初コラボレーション。一つの天然氷から生まれる、4つの夏。
メディア、そして生活者に安心して情報を活用いただくため、日本初や最安値等の最上級表現(最上級表示)は客観的根拠の併記を必須とする規定を定めています。ご執筆の際はご注意ください。
(2022/6/16新設)日本初や最安値等の最上級表現
9.意外性
読み手に「まさか」「もしや」といった驚きを感じさせる情報は、自然と読者の興味を引きます。
例:異業種参入や意外な組み合わせによる商品・サービスの発表
参考:宇宙へ行った”最初の一杯”が、原点の場所へ還る。”人類みな麺類”本店、7月20日「人類月面着陸の日」に生まれ変わる。
記者の心をつかむ要素2:6つの感情
プレスリリースを通じて読者の共感を得るには、「感情」に訴えかけることが不可欠です。「喜び」「悲しみ」「恐怖・不安」「嫌悪」「驚き」「怒り」の6つの感情を引き出せるかを意識すると、メッセージがより深く伝わります。
- 喜び:嬉しい、楽しい、幸せな気持ち
- 悲しみ:共感ややさしさを誘う感情
- 恐怖・不安:問題提起とその解決策提示に活用
- 嫌悪:社会問題への関心喚起に
- 驚き:意外性やインパクトを与える
- 怒り:不満や理不尽さに共感し、行動を促す
プレスリリースを作成するときには、情報の読み手がどんな感情を抱くかを想定する必要があります。
企業はプレスリリースを通じて読み手に共感してもらい、自社や自社の取り組みを支持してもらういわばファンづくりを行っています。つまり、プレスリリースやニュースを受け取った側が抱く感情を想定し、その感情に寄り添い、あるいは解消する立場でなければなりません。例えば、読み手が「恐怖・不安」を感じる内容であればその対策を打ち出す、といったことです。
「9つのメディアフック」と「6つの感情」を意識し、自社が発信した情報がどのように社会に伝わるかをイメージし、それを具現化したプレスリリースを作成しましょう。
メディアフックをプレスリリースに取り入れる3つのポイント
メディアフックの重要性やメディアフックとなる要素について見てきました。では、具体的にはどのようにプレスリリースに反映させればよいのでしょうか。プレスリリース作成時にメディアフックを取り入れる3つのポイントをご紹介します。

ポイント1.読み手の目を引くキーワードをタイトルに入れる
タイトルは、読み手が文章を読み進めるかどうかを判断する情報です。メディアフックとなるキーワードを入れて視認率を高めましょう。キーワードが入っていても、わかりにくい文章では逆効果です。メディアフックとなるキーワード文を含みつつ、短くても意味の通じるタイトルづくりを心掛けましょう。
ポイント2.メディアフックの要素を最大限に表現した画像を使用する
プレスリリースでは、画像も重要な役割を果たします。メディアフックがパッと伝わる画像を準備し、効果的に活用しましょう。
発信情報の内容を端的に表現したタイトルと要旨をまとめたリードに加え、アイキャッチとして魅力的な画像を使用します。プレスリリース自体が数ページにわたっていても、前半部分を読んだだけで大筋を把握できるようまとめましょう。
ポイント3.読み手が「自分ごと化」できるストーリーを構築する
情報を発信する側は、宣伝したい想いが強いあまり、時に独りよがりなプレスリリースになってしまうことがあります。素晴らしい取り組みでも、読み手に伝わらなければその想いを届けることはできません。
メディアフックを取り入れることは、プレスリリースに「客観性」を持たせます。読み手が納得し理解できる背景を説明することで、なぜ今なのか・なぜ自社がやるのかが伝わるプレスリリースになります。
読み手が「自分事」として身近に感じられるストーリーにすることは、自社の取り組みを理解し支持してもらうことにつながります。
メディアフックを反映したプレスリリース事例3選
実際に配信されたプレスリリースの中から、メディアフックを反映した事例を紹介します。あわせて、9つのメディアフックのうち、どの要素が活用されているかも解説しますので、プレスリリースを作成する際の参考にしてみてください。
事例1.三井農林株式会社
【9つのメディアフック】時流/季節性
- バレンタインシーズンに合わせた1月に配信
- 創業50年のチョコレートメーカー「Chocosil」との初コラボレーションによるペアリング企画
参考:Chocosil×日東紅茶 初のコラボ!創立50年のチョコレートメーカー「東京フード」が手がけるオリジナルチョコレートと紅茶のペアリングを楽しむバレンタイン特別セット
事例2.QO株式会社
【9つのメディアフック】社会性/公益性、意外性
- 障害者雇用という社会課題を、3,104名規模の大規模調査データで客観的に可視化
- 一般企業で働く障害者の7割超が「キャリアの行き止まり」を感じているという意外な実態を提示
参考:【社会課題に光を当てるSIL】本格化する企業の障害者雇用に潜むジレンマ 一般企業で働く障害者の7割超が「キャリアの行き止まり」を感じると回答 「評価と対話の空白」の実態が調査で判明
事例3.株式会社オアシスライフスタイルグループ
【9つのメディアフック】逆説/対立、話題性
- 「パジャマなのに外出着」という一見矛盾を疑う見出し
- 黒に特化した高機能ブランド「Macqlo」とのコラボレーションによる期間限定ポップアップ展開
参考:ストリートパジャマブランド「Chill ST」、7月3日(金)よりMacqlo MIYASHITAPARKとMacqlo HAERAにてブラックアイテムのポップアップストアをオープン
メディアフックを取り入れたプレスリリースで、読み手の興味・関心を引き出そう
プレスリリースにおけるメディアフックについてご紹介しました。
自社の取り組みを広く知らせて多くの人に役立つ情報を届けたいと考えても、読み手が理解しづらい、受け入れづらいアプローチでは、せっかくの取り組みも知られることはありません。
メディアフックは自社が主体になっている情報に客観性・社会性をもたらします。それは自社と社会をつなぐことであり、社会の中における必要な取り組みとして読み手に受け入れられることになります。
自社の情報を発信する際は、まずどのメディアフックを活用できるか整理してみましょう。プレスリリースに「誰かに伝えたくなる理由」が生まれ、より広く受け入れられることにつながります。
<編集:PR TIMES MAGAZINE編集部>
メディアフックに関するQ&A
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