リアルな友人だけではなく、アーティストや企業などとも幅広くつながれて、タイムリーに情報を発信・入手できるX(旧 Twitter)。最近では、企業がプロモーションツールとして利用するケースも非常に増えています。
企業の広報PR担当者としてXを運用するのであれば、効果測定が必要になるでしょう。本記事では、Xの効果測定の方法や行うときの注意点などについて、まとめてご紹介します。
Xを運用する際には効果測定を行う
Xの効果測定をしっかりと実施することで、運用の目的が達成されているかどうかを定期的に確認することができます。
効果測定を行わなければ、アカウントの運用を通じて何が変わったのか、事業にどのような影響を与えたのかが説明できません。公式アカウントとしてXを有効に活用するためには、目的通りに運用できているのかどうかを、きちんと計測・把握する必要があるのです。
なお、2023年7月のサービス名称変更にともない、Xでは呼称が変わっています。効果測定の資料や社内共有の際は、現在の名称に合わせておくと認識のズレを防げます。
| 旧称(Twitter時代) | 現在の名称 |
|---|---|
| ツイート | ポスト |
| リツイート | リポスト |
| 引用リツイート | 引用(引用ポスト) |
| いいね! | いいね |
| Twitterアナリティクス | Xアナリティクス |
Xの効果測定の方法は?
では、具体的にはどのようにしてXの効果測定を行えばよいのでしょうか。

まずはKGIを設定する
KGIとは、「Key Goal Indicator」の略で、「重要目標達成指標」とも呼ばれるもの。Xの運用を通じて、最終的な目標の達成度を測るための指標を指します。例えば、「企業のイメージ・認知度をアップしたい」「ファンを増やしたい」というものが当てはまります。
しかし、それだけでは不十分です。KGIは、誰が見ても「達成したかしなかったか」を判断できるように、「フォロワー数を10,000人にする」といった数値を用いた内容とするのがおすすめ。
KGIを達成するためのKPIを設定する
KPI(Key Performance Indicator)は、達成状況を評価するための指標となるもの。KGIが設定できたら、次にKGIを達成するための中間目標となるいくつかのKPIを定めます。
Xの運用目的は、「マーケティング」や「広報PR」「カスタマーサポート」などさまざまです。また、運用パターンは大きく「ユーザーとの双方向のコミュニケーション」と「情報発信のみ」の2つに分けられます。目的と運用パターンに合わせて、適切なKGIとKPIを設定しましょう。
【運用目的とKGI・KPIの例】
| 運用目的 | KGI | KPIの基準となる指標 |
|---|---|---|
| マーケティング | 1年後のブランド認知度を40%にする | インプレッション(表示回数)/リンクのクリック数/引用の数 など |
| 広報PR | 自社のファンを増やすため、フォロワー数を1年後に5,000人にする | フォロワー数/引用の数/いいね数/ブックマーク数 など |
| カスタマーサポート | X経由でのマニュアル共有・問い合わせ対応を強化し、顧客満足度を高める | リプライ数/いいね数/アンケートへの回答数/担当者のリプライ速度 |
まず基準となる指標を設定してからKPIを定めていくことで、達成状況の細かな進捗が把握できるようになります。また、うまくいかなかった場合には、KPIの効果検証を行うことで、原因が把握でき、そこから改善につなげていくことができるでしょう。成功した場合にも、「なぜ成功したのか」を細かく分析することで、今後に活かすことができます。
KPIはいくつでも設定できますが、あまり多くしすぎると判断が難しくなる場合もあるため、数個に絞って設定しましょう。
Xの効果測定に使われることが多い7つのKPIの基準
KPIの指標を設定することで、達成状況の細かな進捗が把握できるようになります。では、Xの効果測定ではどのようなKPIを設定すればよいのでしょうか。ここではXの効果測定に使われることが多い7つのKPIをご紹介します。
1.フォロワー数
Xのフォロワー数は、アカウントの成長を記録・検証していくうえで欠かせない項目のひとつです。日々の増減だけを見るのではなく、いいねやリポストが伸びるポストがあった際には、それによってどれだけフォロワーが増えたのかなどもチェックするようにしましょう。
ただし現在のXは、フォロワー以外にも投稿が届く「おすすめ」タイムライン経由の閲覧が大きな割合を占めています。フォロワー数だけで運用の成果を判断せず、後述するインプレッションやエンゲージメントとあわせて見ることが大切です。
2.インプレッション(表示回数)
ポストのインプレッションとは、ポストの表示回数のことです。Xで発信した情報がどの程度表示されたかを確認するためには、このインプレッションを参照します。
2022年12月以降は、各ポストの下に「表示回数」としてインプレッションが公開されるようになりました。自分で自分のポストを見た場合や、同じユーザーが複数回閲覧した場合にもカウントされるため、いいねやリポスト、引用などの行動よりも数字が大きくなりやすい点には注意が必要です。
3.エンゲージメント
エンゲージメントとは、利用者がポストに反応した合計回数のことです。リポスト、返信、フォロー、いいね、リンクやカード、ハッシュタグ、埋め込みメディア、ユーザー名、プロフィール画像、ポストの詳細表示など、ポスト上のあらゆるクリックが対象になります。
つまり、リポスト、いいねなどのユーザーの反応を網羅的に合計したものだといえます。投稿がユーザーのアクションをどのくらいのボリュームで誘発したかを把握するために有益な指標といえるでしょう。
4.エンゲージメント率
エンゲージメント数をインプレッション数で割った値を、エンゲージメント率と呼びます。エンゲージメント率は、「ポストを見たユーザーが、どのくらいの割合で反応してくれたか」を示すもの。
インプレッションが伸びた月でもエンゲージメント率が下がっているなら、届いた相手と内容がかみ合っていない可能性があります。件数と率はセットで確認しましょう。
5.引用(引用ポスト)の数
引用とは、他ユーザーのポストに自身のコメントを付与して投稿する機能のこと。引用したユーザーのフォロワーにも引用元のポストが表示される可能性があるため、自身のフォロワー以外にも情報が届くきっかけになります。
また、インフルエンサーに引用された場合、投稿のインプレッションやエンゲージメントが一気に上がることもあります。
6.ブックマーク数
ブックマークは、ポストを後から読み返すために保存する機能です。ブックマークしたことは相手にも自分のフォロワーにも伝わらないため、拡散はされないものの、「役に立った」「後で使いたい」と思われた度合いを測る指標になります。
現在は各ポストにブックマーク数が表示されるようになっており、リリース情報や調査データ、ノウハウ系のポストでは、いいねやリポストよりも実態に近い評価指標になることもあります。広報PR用途では特に確認しておきたい項目です。
7.プロフィールへのアクセス数
プロフィールページにアクセスしているということは、ユーザーがアカウントに対して興味を持っているということ。プロフィールへのアクセス数が多い場合には、アカウントの紹介文や公式サイトへのリンクの重要度が高まります。
どのポストを発信したときにプロフィールへのアクセスが増えたのかを確認することで、企業や商品・サービスへの関心につながりやすいテーマを探ることもできます。ほかの指標とあわせて確認し、プロフィールの内容や今後の投稿に活かしましょう。
Xの効果測定にはXアナリティクスを活用する
効果測定を行うには、X公式から提供されている「Xアナリティクス」の利用が基本になります。ただし、提供条件はTwitter時代から大きく変わっているため注意が必要です。
詳細な分析ダッシュボードは有料プラン限定に
かつてXアナリティクスは、アカウントさえ持っていれば誰でも無料で利用できるサービスでした。しかし2024年6月の仕様変更以降、「Xプレミアム」以上の有料プラン限定の機能へと移行しています。現在は、XプレミアムまたはXプレミアムプラス、認証済み組織プランに加入したアカウントで利用できる公式の分析機能という位置づけです。
企業の公式アカウントで継続的に効果測定を行うのであれば、有料プランへの加入を前提に運用設計をしておくとよいでしょう。
無料でも個別ポストのデータは確認できる
有料プランに加入していない場合でも、まったく数値が見られないわけではありません。個別投稿のアクティビティは無料でも確認でき、スマートフォンアプリでは各ポスト下部のグラフアイコンから、インプレッションやエンゲージメント総数などを見ることができます。
また、フォロワーの増減や反応の良いポストの傾向を把握したいだけであれば、外部のSNS分析ツールを併用する方法もあります。無料プランを持つツールも複数あるため、目的と運用規模に合わせて選ぶとよいでしょう。
見る順番は「大きい項目 → 詳細な項目」
効果測定は、大きい項目から詳細な項目、という順序で見ていくのが基本です。まずは、月ごとの動きを確認していき、各指標が大きく変化している月を探します。大きく変動のある月を見つけたら、次は該当する月のポストを個別に分析する、というような順序です。
そこからさらに、特定のポストのインプレッションやエンゲージメントが高い理由などを分析し、仮説を立て、今後のポストをブラッシュアップするのに役立てましょう。
Xの効果測定をするときの注意点
最後に、Xの効果測定を行うにあたって、気をつけておきたいポイントを3つご紹介します。

1.いいね数やリポスト数だけをKPIにしない
もちろん、いいね数もリポスト数も大切です。しかし、Xではその特性上、良い評価以外でポストが伸びることもあります。また、好ましいと思ってくれた人が必ずいいねやリポストといった反応をしてくれるとは限りません。
特に近年は、拡散せずにブックマークだけする、あるいは反応せずに読むだけ、というユーザーも増えています。そのため、やみくもにいいねやリポスト数を増やすことだけを目的としたKPIの設定は望ましくないでしょう。
2.何に注目されているのかを意識する
話題にされているポストの内容にも注目が必要です。ネガティブな内容で話題になって得られたインプレッションやリポスト数などは、マーケティングにおいて効果的とはいえません。
反応の大きかったポストは何が注目され世間にどう受け取られているのか確認しましょう。ポジティブな話題で盛り上がっていた場合、思いがけないニーズや新たなターゲット層を知る機会になるかもしれません。
3.ポストごとに分析する
ポストごとに各種反応が数値として確認できるようになっています。単にフォロワー数やインプレッションの増減を見るだけでなく、どのポストが反応につながったのか、その理由まで分析して今後に活かしましょう。
反応が良かったポストとそうでないポストを比較し、テーマや投稿形式、伝え方などに違いがないかを確認することも大切です。傾向を把握し、次回以降の投稿内容や運用方法の改善につなげましょう。
広報PR活動にXを活用しよう
本記事では、Xの効果測定の方法や効果測定を行うときの注意点などについて紹介しました。
Xの運用では、フォロワー数やいいね数など、ひとつの数値だけで成果を判断しないことが大切です。運用目的に合わせてKGI・KPIを設定し、インプレッションやエンゲージメント、ブックマーク数など複数の指標を確認しましょう。
また、数値の増減を見るだけでなく、どのポストが反応につながったのか、その理由まで分析することで、次の投稿や運用方法の改善につなげられます。定期的に効果測定と振り返りを行い、広報PR活動にXを活用していきましょう。
<編集:PR TIMES MAGAZINE編集部>
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