「SNSを毎日更新しているのにフォロワーが増えない」「投稿が来店にどうつながっているのかわからない」と悩む店舗担当者は少なくありません。
本記事では、SNS集客が難しくなっている背景と成果が出ない原因を整理し、アカウントの改善策と立て直しの手順を解説します。さらに、プレスリリースやGoogleビジネスプロフィールなど、SNS以外の方法を組み合わせ、集客の接点を広げる考え方も紹介します。
SNS集客がうまくいかないのはなぜ?店舗を取り巻く現状
SNS集客がうまくいかない背景には、投稿内容だけでは解決できない環境上の要因があります。発信するアカウントや投稿の増加、利用者ごとに表示内容が変わる仕組みに加え、店舗運営とSNS運用を兼務する負担も無視できません。ここでは、SNS集客を取り巻く現在の情報環境と、店舗における運用体制の課題を整理します。

アカウント数の増加で投稿が埋もれやすくなっている
SNSを活用する企業や店舗は多く、利用者の画面には商品情報、日常の投稿、ニュース、広告など、さまざまな情報が流れています。店舗が新しい情報を発信しても、ほかの投稿に埋もれ、目に留まらないことがあります。
投稿するだけで店舗の存在や商品の特徴を知ってもらえるとは限りません。
フォローしていてもすべての投稿が表示されるとは限らない
SNSでは、フォロー中の投稿に加えて、利用者の閲覧履歴や反応に応じたおすすめ投稿、広告なども表示されます。そのため、同じアカウントから発信しても、毎回同じ人数やユーザーに届くわけではありません。
フォロワー数と、実際に投稿を見た人数は分けて捉える必要があります。
店舗運営との兼務でSNSに割ける時間と人手が限られている
SNS運用の業務は、企画、撮影、文章作成、投稿、返信、数値の確認など多岐にわたります。接客、仕入れ、予約管理などの通常業務を担う人がSNS運用も兼務している場合、店舗運営を優先せざるを得ず、SNS業務は後回しになりがちです。
更新頻度が下がったり、コメントへの対応や効果測定まで手が回らなかったりと、継続的な運用が難しくなります。
SNS集客がうまくいかない7つの原因
SNS集客の成果が出ない原因は、投稿の内容や回数だけにあるとは限りません。情報を届けたい人の設定、集客の目的、来店までの導線、利用者との交流、プロフィール、効果測定のいずれかに課題がある場合もあります。自店の運用状況と照らし合わせ、情報発信から来店・購入までのどの段階を見直す必要があるのかを確認します。
原因1.想定する顧客とアカウントのコンセプトが定まっていない
想定する顧客が曖昧なままでは、発信する情報や写真の見せ方、言葉遣いが投稿ごとに変わりやすくなります。幅広い人に向けて情報を詰め込むほど、誰に向けたどのような店舗なのかが伝わりにくくなる場合もあります。
利用者が自分に関係する店だと判断しにくい状態です。
原因2.フォロワー数が目的化し、来店・購入につながる導線がない
フォロワー数やいいね数を増やすこと自体が目的になると、SNSが来店や購入にどのように関わったのかを判断できません。
投稿への反応が増えても、予約、問い合わせ、購入など、店舗が求める行動へ進む経路がなければ、集客上の成果は把握しにくくなります。
原因3.店舗都合の売り込みに偏り、ユーザーにとっての価値がない
新商品やキャンペーンの告知も必要ですが、店舗が伝えたい内容と、利用者が店や商品を選ぶために知りたい内容は同じとは限りません。
商品の選び方や利用場面、店内の雰囲気などが伝わらなければ、継続して投稿を見る理由も乏しくなります。
原因4.更新頻度が安定せず、継続的な接点をつくれていない
投稿が長期間止まると、利用者が店舗の情報に触れる機会が減ります。過去の投稿しか確認できない場合は、現在も営業しているのかわかりづらくなるでしょう。
また、短期間にまとめて投稿した後に更新が途切れるなど、投稿頻度に波がある状態では、継続的な接点を保てません。運用に使える時間を踏まえず、実行が難しい投稿頻度を設定していることも原因のひとつです。
原因5.コメントや返信を通じたユーザーとの交流が不足している
SNSでは、コメントや質問を通じて利用者の反応を受け取れます。営業時間、在庫、予約方法などの質問に返信していなければ、利用者は来店に必要な情報を得にくくなります。
投稿後の反応を確認せず、一方的な情報発信で終わっている状態です。
原因6.プロフィールや固定投稿に来店判断に必要な情報がない
投稿に興味を持っても、商品やサービスの特徴、所在地、営業時間、予約方法などが見つからなければ、利用者は来店に向けて次に何をすればよいか迷ってしまいます。
プロフィールに古い情報が残っている、固定投稿と案内内容が異なるといった状態も、正しい情報を確認しにくくする原因になります。
原因7.効果測定をせず、感覚だけで運用している
担当者の感覚だけで運用を評価すると、どの投稿が閲覧され、プロフィールの確認や予約ページへの移動を促したのかを把握できません。
投稿内容と数値の関係がわからなければ、継続する内容と見直す内容を判断できない状態が続きます。
SNS集客を改善する方法:アカウント運用の見直しポイント
原因が見えたら、投稿数を増やす前に、顧客像と来店までの導線、プロフィール、投稿内容、運用方法を見直します。利用者との交流や効果測定も含め、既存アカウントを修正する6つのポイントを解説します。

来店してほしい顧客像と投稿から来店までの導線を設計し直す
既存の来店客や予約内容をもとに、来店してほしい顧客像と利用目的を明確にします。次に、投稿を見た人がプロフィール、地図、Webサイト、予約ページへ迷わず進めるよう、必要な情報とリンクを整えます。
各投稿では、地図の確認や予約など、促す行動を決め、対応するページへ案内してください。
プロフィール・固定投稿を「来店案内」として整える
プロフィールには、主な商品やサービス、所在地、営業時間、定休日、予約先などを簡潔にまとめます。看板商品や価格帯、初めて利用する人向けの案内は固定投稿へ掲載しましょう。
臨時休業や価格改定があった場合は、プロフィール、固定投稿、リンク先をあわせて更新します。
ユーザー目線の役立つ情報や疑似体験コンテンツを発信する
告知だけでなく、商品の選び方、利用する流れ、店内の雰囲気など、来店を判断する際に役立つ情報を発信します。写真や動画では、入口から店内へ入る様子、スタッフの対応、商品やサービスを利用する場面などを伝えると、来店後の状況をイメージしやすくなります。
顧客から実際に寄せられた質問も、投稿テーマを考える材料になります。
投稿の型と頻度を決め、継続できる運用にする
商品案内、店舗の利用方法、よくある質問など、繰り返し使える投稿テーマを決めます。投稿頻度は、企画や撮影、文章作成、確認、投稿後の返信にかかる時間を見積もり、通常業務と両立できる回数に設定してください。
投稿文には地域名、商品名、サービス名を自然に含め、ハッシュタグも投稿内容や地域との関連性を基準に選びます。
コメントやDMへの返信と口コミが生まれるきっかけを整える
コメントやDMで寄せられた営業時間、在庫、予約方法などの質問には、確認できる情報を簡潔に返信します。個別対応が必要な場合は、電話や問い合わせフォームへ案内してください。
口コミを強く求めず、SNSアカウントやハッシュタグを店内に掲示するなど、利用者が自分の意思で感想や写真を投稿できる環境を整えます。
インサイトを確認して投稿と導線を改善する
SNS上で確認できる表示数、保存数、プロフィール閲覧数、リンククリック数などを投稿ごとに記録します。予約や来店との関係は、予約記録や来店客への聞き取りと照合してください。
反応があった投稿のテーマや形式を確認し、次の投稿内容、案内文、リンク先の見直しに反映します。
SNS集客を立て直す5つのステップ
アカウントの改善点を実務へ反映するには、現在の状態を把握し、目的と発信方針を決めてから投稿計画へ落とし込みます。運用後は数値を確認し、結果を次の計画へ反映します。複数の修正を同時に行って比較しにくくならないよう、立て直しの流れを5つのステップで確認しましょう。

STEP1.現状のアカウントと数値を棚卸しする
現在利用しているSNSをすべて書き出し、アカウント数、担当者、投稿頻度、最終更新日を確認します。各アカウントでは、プロフィールや固定投稿の店舗情報が最新か、Webサイトや予約ページへのリンクが正しく開くかをチェックしてください。問題が見つかってもこの段階では修正せず、見直す箇所として記録します。
フォロワー数、プロフィール閲覧数、保存数、リンククリック数などは、各SNSで確認できる範囲で、直近1ヵ月など期間をそろえて記録します。運用を見直した後の数値と比較するための基準にします。
STEP2.各SNSの優先順位と目的・KPIを決める
棚卸しした結果をもとに、各SNSの反応と運用にかかる負担を比較します。そのうえで、中心に運用するSNS、補助的に使うSNSを決めてください。必要に応じて更新を休止する判断もあり得ます。すべてのアカウントを同じ頻度で運用する必要はありません。
次に、各SNSで最も重視する目的を決めます。新たな顧客への認知、店舗情報の確認、問い合わせ、予約、購入など、SNSの特性や現在の利用状況に応じて役割を分けます。
目的を決めたら、成果に至る途中の行動からKPIを設定します。認知が目的なら表示数、予約が目的ならプロフィール閲覧数や予約ページへの移動数など、確認できる数値を選びましょう。予約数や来店数は、予約記録や来店時の聞き取りと照合します。
STEP3.情報を届けたい相手とアカウントのコンセプトを再設定する
既存の来店客、予約内容、問い合わせを振り返り、店の利用目的や選ばれた理由を確認します。年齢や居住地域だけでなく、来店前に抱えていた疑問、店を選ぶ際に重視した条件まで整理することが大切です。
集めた情報と自店の特徴を照らし合わせ、中心に運用するSNSで、誰にどのような価値を伝えるのかを一文で表してください。このコンセプトが、投稿テーマ、写真や動画の見せ方、言葉遣いを決める共通の基準です。補助的に使うSNSでは、STEP2で決めた役割に応じて発信内容を調整します。
STEP4.投稿計画と運用体制を決めて実行準備を整える
STEP2で決めた優先順位と、STEP3で設定したコンセプトに沿って、各SNSの投稿テーマ、形式、頻度を決めます。企画、撮影、文章作成、内容確認、投稿、返信などの作業を洗い出し、担当者と期限を入れた月間スケジュールを作成してください。
運用を始める前には、STEP1で見つかったプロフィール、固定投稿、リンク先の不備も修正します。繁忙期に使える時間を踏まえ、店舗業務と両立できる投稿頻度になっているかも確認が必要です。
STEP5.運用しながら数値を分析し、発信内容を調整する
運用を始めたら、STEP2で設定したKPIを週次や月次など、あらかじめ決めた間隔で確認してください。STEP1で記録した数値と比較し、優先しているSNSが目的に合った役割を果たしているかを検証します。投稿テーマ、形式、投稿日も記録しておくと、反応が異なる要因を探りやすくなるでしょう。
一度の投稿だけで良し悪しを決めず、複数の結果から傾向を見極めます。次に修正する項目は、投稿テーマ、見せ方、頻度、案内文、リンク先などから絞り込み、変更後の結果を再び確認してください。検証と修正を繰り返し、次回の投稿計画へ反映させます。
SNS集客の限界:SNSだけに頼るのが危険な理由
SNSは、店舗の雰囲気や新しい情報を伝え、利用者と交流するうえで有効な手段です。一方、投稿の表示やアカウントの利用は、SNSの運営企業が定める仕組みや規約に左右されます。SNSだけを集客の入口にすると、仕様変更や利用者の行動変化によって集客経路が不安定になるおそれがあります。ひとつのSNSへ依存することで生じる3つのリスクを確認します。
アルゴリズム変更やアカウント停止など、外部要因に左右される
SNSの表示方法や利用規約は運営企業が管理しており、店舗側で決めることはできません。アルゴリズムや機能の変更によって、それまで反応を得ていた投稿の表示数が変わることもあります。
規約違反や第三者による不正アクセスなどでアカウントが利用できなくなれば、過去の投稿を閲覧できず、フォロワーへ情報を届けられない場合もあります。集客をひとつのSNSに依存している店舗ほど、代わりとなる発信手段がない状態に陥りやすくなります。フォロワーとの接点や投稿内容を、店舗側の判断だけで自由に管理できるわけではない点に注意が必要です。
フォロワーの外側にいる新規層や行動意欲の高い層には届きにくい
SNSの投稿はフォロワー以外へ届くこともありますが、新しい顧客との接点を継続的に確保できるとは限りません。SNSを積極的に利用していない人や、自店に関連する投稿を普段見ていない人との接点も限られます。
また、投稿を閲覧した人が、店舗を探している人とは限りません。写真や動画への反応が多くても、問い合わせ、予約、購入の意向があるかどうかは別に確認する必要があります。地域名や商品名で検索している人など、すでに店舗の利用を検討している層と接点を持つには、検索時に見つけてもらう方法など、SNSとは異なる経路との組み合わせが考えられます。
批判が広がるリスクがあり、自社発信だけでは情報の信頼性を補いにくい
SNSでは、投稿の表現やコメントへの返信が意図とは異なる形で受け取られ、批判が広がることがあります。事実関係を十分に確認していない内容や、配慮を欠いた表現を公開すれば、店舗への信頼を損ないかねません。
また、自社アカウントからの情報だけでは、利用者が店舗を判断する材料が店舗側の説明に偏ります。メディアの記事や利用者の口コミが、別の視点から店舗を知るきっかけになることもあるでしょう。ただし、第三者の情報が常に正確とは限らず、店舗側で内容や評価を決めることもできません。自社では正確な情報発信を徹底し、誤った情報が広がった場合に補足や訂正ができる体制を整えておく必要があります。
SNSに頼らない集客方法6選
店舗と顧客をつなぐ方法は、SNSだけではありません。ここでは、目的や商圏、運用体制に応じて選べる6つの方法を解説します。

プレスリリース配信:メディア掲載で新規層に「信頼」とともに届ける
プレスリリースは、新商品や新サービス、周年、調査、地域連携など、店舗の取り組みをニュースとして記者や編集者へ届ける手段です。メディアに取り上げられれば、自店のSNSをフォローしていない人や、店舗を知らない人との接点につながります。
ただし、配信すれば必ず記事になるわけではありません。商品情報だけを並べず、取り組みを始めた背景、地域や社会との関係、新規性などを整理しましょう。PR TIMESなどの配信サービスを利用するほか、地域メディアや業界メディアへ個別に情報を提供する方法もあります。
Googleビジネスプロフィール:「地域名×業種」の検索で見つけてもらう
Googleビジネスプロフィールを追加または申請し、オーナー確認を行うと、Google検索やGoogleマップに表示される店舗情報を管理できます。地域名や業種、現在地などから店を探す人へ、比較や来店に必要な情報を伝える方法です。
所在地、営業時間、電話番号、商品やサービス、写真などを登録し、変更があれば更新します。利用者が投稿した口コミも確認し、必要に応じて返信してください。検索結果の表示順位を店舗側で決めることはできません。臨時休業も含め、実際の営業状況と掲載内容を一致させておくことが重要です。
自社サイト・ブログ:検索される情報を継続的に蓄積する
自社サイトは、商品やサービス、価格、利用方法、店舗へのアクセスなどを、自店で管理できる情報の土台です。必要な情報を項目ごとに整理し、更新しながら蓄積できる点がSNSと異なります。
ブログでは、商品の選び方、専門知識、よくある質問など、利用者が検索する内容への回答をまとめます。公開しただけで検索結果の上位に表示されるとは限らないため、実際の問い合わせや顧客から寄せられた質問をもとに、必要性の高い情報から作成しましょう。SNSやプレスリリースで店舗を知った人が、詳しい内容を確認する場所としても役立ちます。
LINE公式アカウント・メール:既存顧客との接点を保つ
LINE公式アカウントやメールは、登録や受信に同意した顧客へ店舗から直接情報を届ける手段です。新規認知の拡大よりも、一度利用した顧客へ再購入や再来店を案内する役割に向いています。
新商品、予約の空き状況、季節の案内など、次回の利用を検討する材料を配信します。販売案内ばかりを高い頻度で送らず、受け取り続けたいと思える内容と回数を検討してください。メールには、利用者が配信を停止できる方法の記載も必要です。
チラシ・地域情報・看板:生活圏や商圏内で接点をつくる
店舗周辺からの来店が中心なら、チラシ、地域の情報サイトや情報誌、看板、店頭POPも有効です。SNSを日常的に使わない人や近隣住民、店舗周辺を通行する人にも存在を知らせられます。
チラシには、店舗の特徴、所在地、営業時間、主な商品やサービスなど、来店を検討するための情報を載せます。看板や店頭POPは、通行中でも把握できるよう、内容を商品や価格帯に絞ってください。地域の情報サイトや情報誌を利用する際は、読者層、対象地域、掲載費用の確認が必要です。二次元コードを添えると、Webサイトや地図へ案内できます。
他社・地域団体との連携:双方の顧客や関係者へ情報を広げる
近隣店舗、地域企業、自治体、商店会などとの共同企画やイベントは、連携先の顧客や関係者に自店を知ってもらう機会です。自店だけで発信する場合とは異なる人へ、商品や利用場面、地域との関わりを届けやすくなります。
連携の形としては、共同商品の開発、地域イベントへの出店、ショップカードの相互設置などが考えられます。相手を選ぶ際は、顧客層や活動地域に共通点があるか、双方に利点があるかを見極めてください。実施前に費用、役割、発信内容、問い合わせ先を決め、企画の詳細を確認できるWebページや店頭案内も用意しておきましょう。
ここまで紹介した6つの方法は、SNSやほかの施策と組み合わせることで、情報を届ける範囲を広げ、来店までの導線を補えます。次章では、集客の段階に応じた施策の組み合わせ方を解説します。
SNSとほかの施策を組み合わせて集客を伸ばすポイント
施策を組み合わせるときは、新規認知、比較検討、購入・来店、再購入・再来店の各段階で役割を分けます。現在不足している接点から、無理なく運用できる方法を選びましょう。
プレスリリース×SNSで「話題の波」を大きくする
プレスリリースとSNSでは、同じ情報をそのまま繰り返すのではなく、それぞれの特性に合わせて伝え方を変えます。プレスリリースには取り組みの背景や新規性を詳しくまとめ、SNSでは写真や動画を使って既存のフォロワーへ知らせる方法が考えられます。
メディアに掲載された場合は、記事のURLや掲載された事実をSNS、自社サイト、店頭でも紹介しましょう。記事内の画像や文章を転載する際は、掲載元の利用条件を確認し、必要に応じて許可を得てください。
記事掲載に至らなかった場合も、プレスリリースは店舗の取り組みを詳しく説明するページとして残ります。SNSや自社サイトから案内できるよう、配信前に公開後の発信先まで決めておくと、ひとつの情報を複数の接点で活用できます。
集客の段階に応じて施策の役割と導線を決める
集客方法は、新規認知、比較検討、購入・来店、再購入・再来店のどこを担うのかで整理します。プレスリリースや地域情報は新しい人との接点づくり、Googleビジネスプロフィールや自社サイトは比較や来店判断、LINEやメールは既存顧客への案内に向いています。
SNSには、店舗の雰囲気や最新情報を伝え、詳しい情報へ案内する役割を持たせます。投稿を見た人が地図、店舗情報、予約ページなどへ進めるよう、目的に対応した案内先を設定してください。認知から来店までの流れを確認し、情報が途切れている段階をほかの施策で補うことがポイントです。
運用できる施策を選び、優先順位と担当者を決める
新しい施策を加える前に、現在不足している接点を確認します。店舗情報を検索しても見つけにくい場合はGoogleビジネスプロフィール、新しい人との接点が足りない場合はプレスリリースや地域での情報発信が候補です。
候補を絞ったら、必要な作業、費用、更新頻度を書き出し、担当者を決めてください。複数の施策で同じテーマを発信する場合は、基本となる店舗情報、文章、写真を共有すると準備の負担を減らせます。各施策へ掲載する際には、情報量や表現をそれぞれの特性に合わせて調整しましょう。
SNS集客でよくある失敗パターンと対策
SNS集客では、再生数や拡散数だけを追う、複数のSNSを一度に始めるなど、運用の進め方によって来店につながらなかったり、継続が難しくなったりします。ここでは、店舗が陥りやすい5つの失敗パターンと対策を解説します。
失敗パターン1.拡散数ばかりを追って来店につながらない
再生数や拡散数を増やすこと自体が投稿の目的になると、多くの人に見られても来店につながるとは限りません。店舗と関係の薄い企画に偏り、商品やサービスを利用する理由が伝わらなければ、集客上の成果とは切り分けて考える必要があります。
投稿を企画する際は、誰に店舗の何を伝え、どの行動を促すのかを明確にしてください。再生や共有が増えやすい形式を取り入れる場合も、商品や店舗との関連が伝わる内容にします。公開後は再生数だけで評価せず、設定したKPIに沿って来店に近い行動があったかを振り返ります。
失敗パターン2.複数のSNSに同時に手を出して中途半端になる
アカウントを増やすほど、投稿の作成、返信、数値の確認といった作業も増えます。更新や対応が追いつかず、すべての運用が中途半端になる失敗です。
新しいSNSを始める前に、既存の運用と並行できるかを確認します。継続が難しい場合は、情報を届けたい人の利用状況を踏まえて、優先するSNSを絞ってください。複数を使う場合も、それぞれの役割を決め、すべてへ同じ頻度で投稿する必要はありません。
失敗パターン3.フォロワーの購入や過度な特典企画に依存する
フォロワーの購入や、値引き・プレゼントを前面に出した企画では、アカウント上の数値が増えても、実際に店舗を利用する人が増えたかは判断できません。短期間で目に見える結果を求め、フォロワー数や参加者数だけを成果として扱うことで起こります。
特典企画を実施する場合は、商品の利用や来店と関係する内容にし、終了後は購入や来店の有無まで確認してください。フォロワーを購入して表面上の数値を増やすのではなく、自店の商品や情報に関心を持つ人へ継続的に発信することが基本です。
失敗パターン4.成果が出る前に短期間で更新をやめてしまう
数回の投稿や短期間の反応だけで成果がないと判断し、運用をやめてしまう失敗です。投稿本数や確認期間を決めないまま始めると、判断に必要な結果がそろっているのかがわかりません。一方、成果を確認せずに同じ運用を続けることも避ける必要があります。
運用を始める前に、検証する期間とKPIを決め、必要に応じて投稿本数も設定しておきます。確認期間は一律に設けず、投稿頻度や季節性、予約から来店までにかかる時間を踏まえて設定してください。期間中の数値を記録し、終了後に継続、修正、終了のいずれかを判断します。
失敗パターン5.担当者へ負担が集中し、運用を継続できなくなる
企画、撮影、文章作成、投稿、返信、分析を一人へ任せると、通常業務が忙しい時期に対応できなくなる場合があります。必要な作業と時間を把握せず、担当者個人の経験や努力に依存することで起こる失敗です。
担当者を決める際は作業内容を分け、実施する人と確認する人を明確にします。少人数で運用する場合は、投稿テーマや文章の型、画像の形式を用意し、毎回発生する作業を減らしてください。休暇や繁忙期に備え、予約投稿、代理の確認者、更新を休む場合の案内方法も決めておけば、担当者が不在でも必要な店舗情報を案内できます。
SNSだけに頼らず集客の接点を広げた店舗・企業の事例
ここでは、SNSとプレスリリース、メディア掲載、EC、店舗施策を連動させ、情報が届く範囲や購入・来店までの接点を広げた3社の取り組みを紹介します。
事例1.ハラペコラボ|SNSの拡散をプレスリリースとEC購入につなげる
鉱物をモチーフにした琥珀糖などを販売するハラペコラボは、2018年に実施したクラウドファンディングを機に、SNS以外の対外的な発信を強化しました。現在は、商品を知った人がすぐに購入できるよう、販売日の前日または当日にプレスリリースを配信。その内容をXでも共有し、生活者による拡散やメディアへの波及を図っています。
「宝石と紫陽花のカッサータ」では、当初約200個を販売する予定でしたが、プレスリリースをきっかけに予約が集中し、2ヵ月待ちとなりました。SNSで関心を集めるだけでなく、商品の特徴や世界観を詳しく伝えるプレスリリースと、購入先となるECをつなぎ、拡散を購入へ結び付けています。
事例2.鎌倉紅谷|記念日制定とSNS・店舗イベントの連動でファン接点を拡大
菓子メーカーの鎌倉紅谷は、9月30日を「クルミッ子の日」として制定し、記念日を起点に店舗、オンラインショップ、SNSを連動させています。限定商品の販売や店舗でのフライヤー配布、限定メニューの提供に加え、XとInstagramでは指定のハッシュタグを使った投稿企画を実施。毎年内容を変え、既存ファンとの関係を深めながら、新たな顧客が商品を知る機会もつくっています。
商品や周年に関するプレスリリースの配信後も、発売までSNSで継続的に情報を発信しています。記念日や周年を単発の告知で終わらせず、オンラインと店舗の施策を共通のテーマでつなぎ、顧客との接点を一定期間にわたって広げている事例です。
事例3.バルニバービ|プレスリリース・記者会見・SNSを連動させ、ひとつのニュースを長く届ける
飲食店や宿泊施設などを展開するバルニバービは、島根県出雲市の地方創再生プロジェクトで、プレスリリース、記者会見、メディアへの情報提供、SNSを連動させました。オープン前にはプレスリリースと記者発表会の案内を配信し、地元のテレビ局や新聞社にも個別に情報を提供。その結果、記者会見には約50社が参加し、経済報道番組の取材にもつながりました。
記者会見は生配信し、終了後もYouTubeやSNSで発信。さらに、オープン当日には記者発表の様子と合わせて情報を届けました。ひとつのニュースを発表時だけで終わらせず、事前、当日、事後に分けて発信し、情報が届く期間と経路を広げています。
まとめ:SNSの役割を見直し、複数の施策を組み合わせて安定した集客経路をつくろう
SNS集客で成果が出ないときは、投稿数を増やす前に、誰に何を伝えるのか、投稿から予約や来店へ進める導線が整っているかを見直すことが大切です。SNSだけで認知から来店までを担おうとせず、目的に応じてほかの施策と役割を分けて考えましょう。
プレスリリース、検索、自社サイト、LINEなどは、新規認知、比較検討、再来店といった目的に応じて組み合わせます。現在の集客方法を整理し、不足している役割を無理なく運用できる施策で補ってください。
SNSは、集客を支える手段のひとつです。役割を整理し、検索、プレスリリース、地域での発信などと組み合わせることで、アルゴリズムの変化に左右されにくい集客経路を整えられます。
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